緊迫感漂う文章に引き込まれる

 作品の舞台はあるイタリアの教会の懺悔室。
そこで働いている神父はソフィアという女性の懺悔を聞くことになる。

 懺悔室だからお互いに顔が見えないのですが、それがよく活かされています。

 雰囲気がとてもよく、だんだんホラーっぽい空気になってきて、神父の焦りが読者である私にもありありと伝わってくる、素晴らしい文章でした。

 徐々に真相が明らかになってきて、一見関係無さそうなことが終盤で繋がってくるのは、パズルのピースが合わさるような爽快感がありましたね。

 クオリティの高い短編のミステリー作品でした。

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懺悔室

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