エンタメ業界-はしっこ暮らし-

ナナシ

第1話「エロゲ業界の話-ボイスデバッグ編-」

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この物語は……!


アニメ、ゲーム、漫画などなど様々なエンタメ業界の

端っこも端っこで、もがきながら生きてきた


底辺クリエイター「ナナシ」のエッセイ風

ハートレス・フルフィクション・コメディである!!!!


※この物語フィクションです。

 この作品は実在の人物や団体などとは関係ありません。


※ホントにホントにホントーーーーに関係ないよ……!!!!!


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第1話『エロゲ業界の話1』


ワイの名前はナナシ。


前述のとおり、アニメ、ゲーム、漫画など

様々なエンタメ業界で底辺クリエイターとして活動してきた人間である。


今回は第一話ということもありワイが

最初に勤めたエロゲ会社の話をしようと思う。


ちなみに今では信じられないかもしれないが……


ワイが若い頃はエロゲがエンタメの中心だった時期があったのだ!!


そう、あったのだ……。


クラ〇ドは人生って言われたりね……。


ナ〇スボートって言われたりね……。


懐かしいなぁ……。


閑話休題、気を取り直して。


そんなわけで時代の流れに乗り立派なエロゲオタクに

仕上がったワイはきちんと最初はエロゲ業界に就職したのだった。


× × ×


今ではそんな会社、軒並み潰れてなくなっているが


当時、エロゲ会社といえば

大体、マンションの一室借りて営業していたりして

従業員10人以下の会社が多かったんじゃないだろうか。


友人の勤めてた会社とかもそうだったしね。


しかし運がよくワイが務めたところは従業員20人越えで超大手。


マンションではなく雑居ビルの一角を借りて経営をしていた。


しかし、そんな超大手でも所詮はエロゲ企業。


超ブラックで超薄給の現場だった。


ワイに最初に提示された給料は「日当6千円」だった。


かなり安い。


一か月働いても12万円にしかならない計算だった。


生活に超不安を覚えながらワイは仕事に就いた。


しかし、一か月後、給与明細を見てびっくり仰天。


ワイの給料は18万支給されていたのだった。


これなら生活できる。


ワイは給与明細を見て飛び跳ねた。


しかし、3秒後正気に戻る。


「休み1日もなかったなぁ……」


言いながら、ほろりと頬を伝う涙。


今思い返しても、ホントに忙しかった。


まぁでも楽しかったからいいんだけど……。


× × ×


ちなみにそんな会社でのワイの最初の仕事はボイスデバッグだった。


納品された声優さんのボイスに読み間違いや、

収録時のノイズがないか検品する作業だ。


結論から言うと、この作業、まぁまぁな地獄だった。


エロゲはヒロインのみフルボイスなゲームが多いうえに

ボイスデバッグでは当然、主人公のセリフや地の文が確認できない。


さらにキャラごとにボイスが納品され検品するので

文脈のないヒロインのセリフを淡々と聞いていく時間が続く。


ボイスデバッグは話の内容が半端にしかわからないのに

ネタバレを食らい続ける苦行の時間だった。


それだけならまだいいが、エッチなシーンに差し掛かると

朝から晩まで、職場で女の人の喘ぎ声を聞き続けることになる。


否が応でも息子が反応する。


慣れるまでは本当に大変だった……。


下品な話だが最初は自家発電してから

出社することで息子が反応しないように対策をとった。


そのせいか、日中は結構だるかった。


だけど毎日、そんなことをしていると徐々に悟りを開けるようになった。


そう、ワイは無心で女の人の喘ぎ声が聞けるという特技を習得できたのだ。



× × ×


ボイスデバッグに関しては実生活にも影響を及ぼしていた。


ワイがボイスデバッグで担当していたのは売れっ子声優だった。


故に演技なんかはばっちりうまいんだが……


当時、売れっ子声優といえば年間のゲーム出演数は50本越え。


ひと月に3~5本はその声優さんがゲームに出演しているわけで……


プライベートでゲームをしていると、ほぼほぼ確実に

1日8時間仕事で聞いた声が聞こえてくる……


それゆえにエッチなシーンに差し掛かると、心が無になってしまうのだ。


もはやゲームをしているはずなのに仕事をしているような気分になり

ワイは世の無常さを感じるばかりだった。



× × ×


そんなことが続いたある日、ワイは仲良くなった先輩にそのことを相談した。


「仕事で使わせてもらっている声優さんがプライベートで

 やってるゲームにでてくると萎えるんです」


すると先輩はこういった。


「あるよね、俺も昔はそうだった。そういうときはーー」


そこで先輩はにやりと笑い、こう言った……


「その声優さんが、なぜ喘ぎ声でお金を稼ぐようなったかを想像するんだ。

 そうすれば楽しめるようになる」


…………。


「楽しみ方が特殊! ゲスい!!

 それに、それじゃあゲームそのものは楽しくならない!!」


ワイは思わず全力で突っ込んだ。


先輩はワイの反応を見て大爆笑したのだった。


(終)


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こんな感じで、ちょっとずつワイの架空の経験談をまとめていきます!


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