第20話
そして時折、高天原へと戻り、
ある日の午後、
「
「ああ、言葉もずいぶん増えたし、何より、好奇心旺盛で困ってしまうほどだ」
「
「致し方ない。八つの
「それにしても、この子のおかげで、わたくし達も人間について深く学んでおりますわ。この着物も、南の里の娘が着ていたものを参考に仕立てたのです。動きやすさを考え、それでいて可愛らしく。素材も、肌触りの良い木綿と絹の混紡を試してみましたの」
「離乳食についても、人間の子が食すものをいくつか試しましたが、
朱雀の言葉には、
その時、
「わあ!」
「
「ほえ?」
と、不思議そうに首を傾げた。
「これは……様々な
「積み木一つで、これほどの力が発動されるとは……。この子の力の片鱗を見るに、改めてその成長の重要性を痛感しますわ」
朱雀が深々と頷いた。彼女もまた、
「しかし、花1輪だけとは。以前は空間そのものを歪ませていたのに……少しずつ、力を制御しようとしておるのかもしれぬ」
「すごーい……
間延びした声で言う
「
「あれれ? そうだったかなー?」
朱雀が、そっと
「わたくしは、この子の衣食住を通して、心身ともに健やかに育つよう、寄り添っていきますわ。人間の営みは、この子にとってきっと大きな学びとなるでしょうから」
その柔らかな声には、母性にも似た温かい愛情が宿っていた。
神々は、
この世界の運命は、まだ定まっていない。小さき幼神の大いなる一歩は、果たしてどこへと向かうのだろうか。
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