第18話
高天原の一室には、いつも
「さあ、
その様子を、
「……き、きょ……」
「まんま!」
「ま、まんま……!? 儂を……」
その場にいた全員が、その言葉に感極まった。
「
「……ああ、
それは、言葉を失い、魂が赤子へと回帰した幼子が、初めて発した、希望の言葉だった。そして、
その時、部屋の外から、再び大きな気配が近づいてきた。
「ごめんくださいませ、
控えめだが、朗々とした声が響く。
障子の向こうに立っていたのは、すっかり回復し、以前にも増して精悍な表情を取り戻した
「おや、
「この度は、
「
「なに、気にするな、
「これは、我の好物であるゴマ団子を、全国各地から取り寄せたものでございます。感謝の印に、皆で召し上がっていただければ」
風呂敷の中からは、香ばしいゴマの香りが漂い、見るからに美味しそうなゴマ団子が、たんまりと詰め込まれていた。
「おお、これは美味そうだな!
「さすがの
「
「まさか、赤子に戻られたとは! ぜひ、この目でその可愛らしいお姿を拝ませていただきたい!」
「神々の未来を担う巫女の育成に、我々も力を貸さねば!」
日ノ本全国各地から、
「こら、そこの山の神! 勝手に
賑やかな高天原は、
八百万の神々もまた、
高天原は、
しかし、世界の平穏は、あくまで一時的なものであった。
西の
目に見えぬその空間の蓋は、
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