香りが呼び覚ます絆の物語

 嗅覚というのは五感の中で唯一、ダイレクトに脳の中枢へ伝わるそうです。
 つまり、思考やフィルターを挟まない分、記憶や感情に結びつきやすい。

 皆さんも、ふと道端で感じた香りに、どこかを、誰かを思い出したことがあるのではないでしょうか?

 きき処『木葉堂』では、平城京、平安京の時代より親しまれ、積み重ねられてきた『お香』を通して、訪れる客の悩みや思い出に寄り添ってくれます。

 過去と向き合うことは、時に辛く悲しいこともありますし、今を変えるには勇気がいります。そんな時、イケメン店長の葵さんの優しい言葉と、娘の木葉ちゃんが作る香りが、新しい明日へと導いてくれるのです。

 そんな二人にも、最愛の妻であり母である紅葉さんを亡くした過去が……

 ラストは木葉ちゃんの母を慕う心が溢れて切なくなりました。

 皆様も是非、唯一無二の香りの魅力を味わってみてください。
 お勧めです。

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