『きき処 木葉堂』に貴方も行ってみたくなるはず!

『きき処 木葉堂』。
耳馴染みのない、『きき処』という名前からは想像がつかないと思いますが、この物語は、香(こう)の物語。
私は恥ずかしながら知らなかったのですが、香りを嗅ぐこと、嗜むことを『きく』と表現するそうで、だからこそ敢えてこのタイトルにしているのと思います。実にお洒落です!

香という見えないものをテーマとするのは、至難の業だったと思いますが、非常によくまとまっており、主人公の出会いから、『きき処』の立ち上げのエピソード、そして様々な悩みを抱えたお客さんの相談に至るまで、構成がしっかり整っています。

そして何と言っても、見えないはずなのに、まるで読みながらにして読者も香りを共有しているかのような、不思議な感覚。それだけ、表現が洗練されています。

Web小節には珍しいテーマを扱っているからこそ、多くの文献のリサーチによる裏付けが信憑性を高めており、作者様の努力にも感心させられました。

最後の終わり方もまた、ここまで読んできた読者の涙を誘うような展開が印象的でした。
素晴らしい物語をいつもありがとうございます!

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