リアリティ満載の情報が背筋を凍りつかせていくモキュメンタリーホラー

モキュメンタリーの醍醐味である『ひょっとしたら、これは現実で起こっているのかもしれない』という感覚を現代的なツールと心理的な恐怖を通じて再現していく手法がとても見事な作品です。

また日常的なアイテムである母子手帳やフリマアプリなどに潜ませたホラー感が読者の生活に隣り合っているような錯覚を生み出していると感じました。

そして『蘇り』というワードがさらなる恐怖と好奇心を煽り、次々と繰り出される情報から目が離せなくなります。

この後、主人公である永和の身辺で何が起こってしまうのか。

知りたいような、知りたくないような……。

そんな『怖いもの見たさ』が増幅していく傑作です。