成長する母子手帳

山崎永和の元に、フリマアプリから不可解な母子手帳が届く。子の氏名を書く欄には、自分の姪の名前が既に記載されていた。保護者の部分は空欄である。
インターネットの質問サイトで真偽を探るも、核心に迫る答えがない。
姉とその夫との不和が見え始める中、姪との散歩中に奇妙な老婆に出会う。

「こちらの川に人形を流しに来ました」

そう告げる老婆。意味不明な言動で、近所の小学校で不審者として注意を喚起される人物だった。
事故死か自殺か、やがて彼女は遺体として発見される。
老婆は、どうしてか姪の実名を知っていた。
人形を流す儀式、母子手帳の中に綴られる胎児の成長記録。静かな混沌の中、一つだけ分かっていることがある。

何かがこの世に生まれようとしている。

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