第13話 国会擬似堂のかぐや様

《エクスタシア 東京 国会擬似堂こっかいぎじどう


 ここは日本政府機関 ハメフィ・ハーメルン 通称ハメハメ。この場所は女性独裁国家機関であるハメフィ・ハーメルンの本部置かれた。日本の心臓部である。


 そして、現在。首相の席には軍服ミニスカートを履き。


 若いして日本の権力を掌握した女の子が鎮座していた。


「大罪、大罪、大罪ですっ!……なんちゃって。昨日の夜は深夜までロゼロを見すぎたわ~!」

《日本総理大臣 かぐや》


コンコンッ!


「? 誰かしら? どうぞ~! 勝手に入って良いわよ。勝手に入ったら始末してあげるから。フフフ」


 この首相。性格にかなりの難がある。どす黒い程に性根が悪く性格が悪い。


 悪いのだがカリスマ性はあり。日本……いや、世界各地からと性欲が強い者が彼女をしたって集まってくる。


 その結果。現在の裏世界エクスタシアでは日本の軍事力は世界トップクラスにまで成長。   


 この功績により。かぐやは日本の絶対的な首相へと就任した。


「かぐや様……失礼致します。大罪人、南黄なんこう 金糸雀かなりあ元教師をお連れしました」


軟膏なんこう? 誰かしら? なにか発情させる媚薬でも開発したの?」


「いえ、それはまだまだ研究段階です。本日はフェーラ女学園に侵入させていた。南黄 金糸雀の処分についてをお聞きしたく」


「そういうのは口頭じゃなくて、スマホ……あ~、この間ので特別な電子機器以外おじゃんになってたわね」


「はい。ですので、南黄 金糸雀の資料わお持ちしました」 


「おお! 流石、私の下処理係りの理っちゃんね。シゴでき。シゴでき~!……えっと。どんな罪を働いたのかしらね? この大罪人は……」


 かぐやは邪悪な笑みを浮かべながら。嬉々ききとして金糸雀の処分資料について読み上げ始めた。


「やってないです……私はなんの罪もおかしておりません。ピュルル……」


「やってないねぇ……テロ組織『アフターケアー』からの賄賂。生徒が書いた論文を自身の論として発表。フェーラ女学園の寮及び教会破壊?……凄いわね。貴女、イリアスの聖域を破壊したの?」


「やっていません! そこには私の殿方がぁぁ!!」

「黙っていろ! 大罪人がぁ!」

「ピュルァァ?!」


「一本! 流石、柔道家ね。冷夏れいか副大臣……後はフェーラ女学園に駐屯しているシスタークレア及び銀竜種の竜影紫音りゅうかげしおんを魔法で殺害した可能性あり? 南黄金糸雀なんこうかなりあ。貴女、馬鹿なの?」


「ピュル……わ、私はやっていません! 私はただ殿方と合わさりたくてぇぇ!!」


「駄目ですね。自分の汚職がバレて混乱している様です。かぐや様」

「それじゃあ、富士の樹海刑務所行きね。さようなら。大罪人ちゃん。私の国に汚い女は入らないの」


「樹海刑務所?! そ、そんな場所生きたくありません。何故、私が? 私はただ。あの素敵な殿方とぉぉ!!」


「うるさい人ね。『瞬間移動』してね」


 かぐやが親指と中指で指を鳴らすと。金糸雀の姿はその場から消え去っていた。


「殿方。殿方とうるさい鳥人種でしたね」


「ちょっと! 異種族差別はこの国じゃあ、ご発達よ。私は国や文化なんて関係なく強ければ誰でもウェルカムなんだからね。冷夏れいか副大臣」


「……失礼しました」


「そうそう強ければ良いのよ。私はそうやって、この極東の島国要塞『日本』を手に入れたんだもの。強ければなんでも手に入るわ。この『エクスタシア』なら……地位も、名誉も、お金も、可愛い男の子もね」


「可愛い男の子ですね……そういえば。南黄金糸雀が何度もくちばしっていましたね。殿方、殿方と……殿方って男の子の事ですよね?」


「そう! それよ! 私もそれが気になっていたの!」


「………元気いっぱいですね。かぐや様」


「当たり前じゃない! あの南黄金糸雀は多分、逃げられたのよ。天然の男の子に……だから、あんなに慌てて混乱してたのよ。性格に負けてね」


「……そういう私達も抑えられるとおおもいで?」


「……無理ね。下半身がウズウズしてるもの。早く捕まえて夜のベッドで可愛いがってあげたいわ。デサートとしたね」


「その天然、男の子の存在を知っているのは、おそらく、私達とフェーラ女学園の女性とのみですよね?」


「そうね。下手に年増としまのオババ達に情報がいけば、お金で解決されるもの。秘密にしてるんでしょう。女生徒達だけで独占する為に」


「ですね……使いますか? 日本の国家権力」


「馬鹿ね。汚職になるわよ。それよりも私の私兵しへいちゃん達。『月花げっか』に通達して、私達が天然の男の子を独占するのよ……だって天然の初物よ? 松茸まつたけよりも超高級品だわ」


「直ぐに、12番目さんに連絡して、居場と探索を行ってもらいます」


「ええ、もしも捕まえたらこの部屋でパーティーね。全裸で」

「はい。楽しみです。全裸パーティー」


「「フフフフフフフフ!!」」


 2人の美少女達が国会擬似堂の中で笑い合う。まだ見ぬ素敵な男の子に夢を馳せていた。




《八王子高速》


 シスターの機転とイリアスと俺の謎パワーで、なんとか竜影紫音りゅうかげしおんを撃退する事ができたが。


「盗んだバイクが真っ二つ……行き先も閉ざされたまま……くそ。俺のソクイ号がぁ。真っ二つに~」


「ニャア。こんな状況で、なんでソウマ様は落ち込んでるのニャア?」


「まぁ……ソウマさんはソクイ号の事、凄く気に入っていましたから。それよりもイリアスちゃん。本当に女神イリアス様だったんですね。幻滅しました」


「ニャア! そうですニャア。私が貴女が幻滅したイリア……幻滅ですニャア?」


「はい。だって、イリアス様は癒しの女神様の筈です。ですのに、あんなにか弱い女の子を吹き飛ばすなんて……私の崇拝したイリアス様はもっと人を慈しむ方ですもの」


「そんなの貴女の勝手な女神想像の押し付けですニャア! この背徳シスターニャン!!」


「キャア?! や、止めて下さい。イリアスちゃん。私の胸を揺すらないで下さい」


「ニャア~! 背徳崇拝者にお仕置きしてるだけですけどニャアア!!」


「キャアアァ!! やっぱり。私の思っていたイリアス様像とはかけ離れていますよ~! イリアスちゃん~!」


「ニャア? 反撃してきましたたニャン……ニャアア! モフモフしないで下さいニャア。シスター様~ニャア!!」


 ……何をしてんだろうな。シスターとラグドール女神は。


「はぁ~……これからどうするか」


「ソウマさん。それなら私の故郷ふるさとへ一緒に行きませんか?……ハァ……ハァ……」


 俺が空を見上げて、どうするか思案していると。


 ラグドール女神との不毛の争いに勝利し、息を切らしたシスターが俺に話しかけて来た。


「シスターの故郷?……ですか。ここの近くにあるんですか?」


「はい。転移の扉を正しく通れれば近いですね」


 ……転移扉? この世界そんな代物まであるのか? ナニクエストだよ。


 なんでもありだな。この現代裏世界は。



「ソウマさん~! こっちですよ~! イリアス信徒しか分からない秘密の神殿にご案内するので、着いて来て下さいね~!」

「相変わらず。ソウマ様は判断が遅いですニャア」


「うぉ! シスターとアホラグドールがもうあんな所に……」


 こうして俺はシスターに案内されて、シスターの故郷。『イリアスの聖域』へと向かう事になったのだった。


 



「かぐや様からの命令で、極秘に八王子までやって来たけど…………なんでクレアが男の子と一緒に居るのかしら?」

《国家機密組織(かぐやの私兵)『月花』所属 12番目》



 そして、俺達はまだ知らなかった。新たな変態美少女達が次々と現れてくる事を……

 



 


 






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