第6話 快進撃!!

◆第6戦:真価を問われる“連勝維持戦”

5連勝という勢いの中で迎えた第6戦。

対戦相手は守備力に定評のある 名古屋サンダーブレイズ。

序盤から相手は美波とスカーレットを徹底マークし、

ゾーンディフェンスで攻撃を停滞させる。


しかし――

ここで輝いたのは控え組の 前田美里 と 大澤紗英。


美里が鋭いバックドアカットで得点を重ね、

紗英が2本連続のスリーで相手の守備網を破る。


流れを引き寄せた控え組の奮闘に、

主力が応えて終盤は美波とスカーレットのコンビプレーで突き放し、

78-65で勝利、6連勝。


相手HCのコメント:

「…彼女たちは本物の“チーム”になってきている。」


◆第7戦:リーグ屈指のスピード集団との激突

相手は走力に長けた 大阪ブルーフェニックス。

試合開始直後から怒涛の速攻を仕掛けられ、1Qで8点ビハインド。


古川コーチの檄が飛ぶ。

「走り負けるな!私たちだって強化してきたはずでしょ!」


ここで覚醒するのが、

走力とスタミナでチーム随一の 吉田理子 と 中野芽衣。

2人がコートを縦横無尽に走り回り、速攻の応酬を真っ向から受けて立つ。


美波の連続スティール → 吉田のランニングレイアップ

芽衣のプルアップジャンパー

スカーレットのスラムダンク!!


流れを完全に掌握し、86-74で勝利。7連勝。


解説:「この若いチーム…どこまで進化するんだ?」


◆第8戦:守護神スカーレットの“覚醒ディフェンス”

対戦相手は 仙台グリズリーズ。

リーグ随一の重量級センターを擁する、フィジカル重視のチームだ。


序盤は相手のインサイドに押し込まれ、重苦しい展開。

しかし、この試合で最も燃えたのはスカーレットだった。


相手センターを見据え、低い声で美波に言う。

「I’ll handle this.(これは任せて)」


そこからのスカーレットはまさに“ゴール下の守護神”。

ブロック、リムプロテクト、オフェンスリバウンド――

全てを支配し、インサイドの空気を一変させてしまう。


さらに松井梨花のゲームメイクでリズムを作り、

最終スコア 69-58。

ディフェンスで勝ち切り、8連勝。


相手の主将:

「化け物だろ…あのセンター…」


◆第9戦:苦手の外角型チームを乗り越えろ

9戦目は外角攻撃のスペシャリスト 横浜ホワイトフラッグス。

序盤から3Pを雨のように浴びせられる。


古川コーチは即座に守備を変更。

「外を消す!ミドルは捨てろ!」


ここで鍵となるのは 坂田佳乃。

控えながらも3Pに対して非常に強いクローズアウト能力を持つ。


佳乃が入ったことで横浜の外角は一気に沈黙。

追いついた4Q、佐藤愛美の勝負強いコーナースリーが炸裂し、

77-72で勝利、9連勝。


実況:「今年のオーシャンアローズ、死角が見当たりません!」


◆前半最終第10戦:因縁の相手との“首位決戦”

対戦相手は昨季王者 東京レガシースターズ。

全勝のオーシャンアローズにとって、最大の壁。


試合は最初から非常に重く、互角の点の取り合い。

レガシースターズは美波を徹底マークし、パスコースを封じる。


しかし、美波は微笑む。

「じゃあ…仲間に任せるよ。」


そこからは全員バスケ。

梨花のパス、理子のディフェンス、芽衣の速攻――

全員が役割を超えて一段階上のプレーを見せ始める。


そして4Q残り30秒、同点。

美波とスカーレットのハイピック。


美波が一瞬抜いた…と見せかけてノールックパス。

スカーレットが空中でキャッチし、

豪快なダンク!!


会場が揺れる。

実況:

「決まったぁぁっ!!美波からスカーレット!必殺のコンビネーション!!」


最後は守り切って、

オーシャンアローズ、前半戦まさかの10連勝達成!


観客席のファン:

「本当に…本当に最下位チームだったの?夢みたいだ!」


リーグは驚愕し、メディアは連日アローズ特集。

選手たちもその勢いを肌で感じていた。


美波は試合後のインタビューで静かに語る。

「まだ終わりじゃない。ここからが本当の勝負だから。」


――物語は後半戦、さらに熱さを増していく。

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