第2話

「ックシュ!」


 自分のくしゃみで目が覚めた。


 それと同時に、自分がわけわからないところに飛ばされ、何故か傷があり、あまりの激痛に気を失ったことを思い出した。


 あんな訳わからないこと、きっと夢だよね。


 そう信じて目を開けるが…


「なんでそうなるかなぁ〜」


 やっぱりそこはスラム街だった。


 みんなボロボロの服を着て、ガリッガリにやせ細り、飢えた目で獲物を探している。


 路上で誰かが倒れれば、それはすぐに皆の餌になる。


 そんなえげつないところだった。


 そういえば、傷口はどうなったんだろう。


 気になったが、ふと、服をめくりあげようとする手が止まる。


 昨日はめくるまでは痛くなかったんだ。


 今も別段、痛くない。


 もしかしたら、また服をめくればあの痛みが復活するのではないか…。


 そんな思いが頭をよぎる。


 でもまぁ、めくってみないことには話が進まない。


 みんなも俺が痛がってるのを見るのを楽しみにしているかもしれないしね。


 というわけでっと、


「うわ、キッショ。」


 寒気がした。


 多分全身鳥肌が立っている。


 なんせ、傷口に押し込んだスライムが自分の皮膚と同化しているのだ。


 傷口の部分は少し青白くなり、弾力があり…


 とりあえず、一言で表すと、キモい。


 冗談抜きでガチでキモい。


 とりあえず、スライムを取り外せるのか、取り外せないのか。


 しっかり試してみる必要がありそうだ。

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