月下の花園で少女を待つ、赤い微笑

この物語は、赤ずきんをモチーフにしておりながら、全く異なる視点で描かれています。

一歩ごとに深い闇へ読者を誘っていくようでした。

前半で描かれた秘密の花園の美しさと青年の執着が、どことなく後への不穏な未来を予感させました・・・。

後半では、赤いずきんに包まれた青年は、彼女への執着心から理性を失い、姿を変えていく場面、ゾクゾクします。
また、蝶や赤ずきんといったアイテムが青年の行動に色を添えて、更に恐怖を誘います。

ただのホラーでもなく、ただの悲恋でもなく、人の心の弱さやもろさなどを描いた幻想的な物語です!

美しい風景描写と血の気配が混ざり合う、ラストは言葉にしづらい余韻が長く残る一篇でした!

その他のおすすめレビュー

島村 翔さんの他のおすすめレビュー198