幻想の中で描かれる、もうひとつの赤ずきん
- ★★★ Excellent!!!
悪い狼に食べられてしまうから、森に入ってはいけないよ。
その言いつけを破ってしまった女の子が出会ったのは、確かにひとりの「狼」
まるで誰もが知る赤ずきんの物語のように、しかし赤ずきんとは違って、ふたりは秘密の親交を重ねていきます。
優しいようで、呪わしい時間。
人間と人外の感覚の違いが、やがて生む決定的なズレ。
本来理解し得ない者同士が理解したかのような錯覚をしてしまった時、物語がどんな結末を迎えるのかを存分に味わえる事でしょう。