「【事件】彼女と俺の愛の証の首輪のはずが、見知らぬグラサンに同時リードされることに!…主従関係、完全に崩壊です。」
志乃原七海
第1話「いい?ユウキ、ちゃんと歩くのよ!」
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## エピソード:主従もリードも共有!バカップルの街中公開調教!?
**設定:** 東京・新宿の、ちょっとハイセンスなストリート。夕暮れの交差点。
**登場人物:**
* **俺(ユウキ、中央の男性):** 今回の被害者兼語り手。彼女に振り回されがちな、根は真面目な彼氏。
* **彼女(アヤカ、左の女性):** この企画の発案者。とにかく目立ちたがりでノリが良いバカップル側の女王様。
* **グラサン(右の男性):** 全身黒でガタイの良い、アヤカがどこからか連れてきた謎の男。ユウキからは「ただのバイトだろ」と疑われている。
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「いい?ユウキ、ちゃんと歩くのよ!」
アヤカがヒールの高い靴で一歩踏み出し、その声にユウキは思わずビクッとした。
いや、おかしいだろ!
今日の予定は、もちろん**「彼女と俺の、ちょっと刺激的な外での主従プレイごっこ」**のはずだった。アヤカが首輪をつけて、俺がリードを持つ。いつものバカップル的悪ふざけの延長戦だ。
ところが、アヤカが連れてきたのは、全身黒で筋肉隆々の**グラサン男**。
「あのさ、アヤカ。これ、俺がリードを持つんじゃないの?なんで二人まとめてこのグラサンに?」
ユウキは首に食い込む革のチョーカーを指さした。隣で、アヤカはニコニコしながら説明する。
「だって、二人きりでコソコソやるより、**最高の演出家**がいた方が面白いじゃん!ね、グラサンさん?」
グラサンは表情一つ変えず、静かに頷く。ユウキとアヤカ、二本のリードをしっかりと掴んでいる。
「しかもね、ユウキ。二人とも首輪で繋がれてるって、一種の**ペアリング**じゃん?これで私たちは、**リードも主従関係も共有する最強のバカップル**ってわけ!」
「どこが最強なんだよ!完全に俺たち**二人まとめて飼われてる**状態だろ!」
ユウキは内心で絶叫した。しかも、二人とも黒い衣装でキメているせいで、遠目から見ると、まるで何かのアートパフォーマンスか、プロモーション撮影のようだ。
ふと、アヤカがユウキの顔を見てニヤリとする。
「ね、ユウキ。さっきから緊張して顔が真っ赤だよ?もしかして、**グラサンにリードされてることに興奮してるの?**」
「ちげーよ!こんな街中で晒されてる恥ずかしさと、**グラサンの正体不明さ**に動揺してんだよ!」
ユウキは小声で反論したが、アヤカはまるで聞いていない。
「いい?グラサンさんは、私のために今日雇った**『ドS・リード代行』**サービスの方なの。今日の私は、あなただけじゃなくて、グラサンさんにもリードされる**超ドM**なのよ!」
「ドS・リード代行サービス!?そんなのあんのかよ!」
ユウキは衝撃の事実に目を見開いた。どうりでグラサンの佇まいがやたらプロフェッショナルなわけだ。
グラサンはチラリと二人を見て、短いリードを軽く引っ張る。
「…立ち話は終わりだ。女王様(アヤカ)の要望だ。交差点の真ん中で**『リードプレイの尊さ』**を表現するぞ」
「表現ってなんだよ!信号、赤じゃねーか!」
バカップル特有の悪ノリが、**第三者を巻き込み、公道で展開されている**というカオスな状況。
アヤカは腕を組んで、恍惚とした表情。
「ユウキ!私たち、世界で一番繋がってるバカップルだね!**リードで!**」
ユウキは、もう抵抗することを諦めた。自分の彼女が楽しそうなら、それでいいか。これが新しい愛の形、いや、新しいバカップルの形なのかもしれない。
「…わかったよ、アヤカ。次はどこへ行くんだよ、女王様」
ユウキがそう言うと、アヤカは勝ち誇ったように笑い、グラサンの方を見た。
「グラサンさん、次はこのまま繋がれた状態で、あの角のカフェでパフェ食べたいの。お願い!」
グラサンは再び無言で頷き、二人のリードを操りながら、交差点を渡り始めた。
**「いや、パフェはさすがに無理だろ!リード繋いだままカフェでどうするんだよ!」**
夕暮れの街に、バカップル彼氏の悲鳴が小さく響き渡ったのだった。
**(終)**
「【事件】彼女と俺の愛の証の首輪のはずが、見知らぬグラサンに同時リードされることに!…主従関係、完全に崩壊です。」 志乃原七海 @09093495732p
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