職業蔑視


大須から千種税務署までのお客さんだった。


客「千種税務署まで」

わからなかったのでナビを入れながら

私「あ、はいわかりました」

客「千種税務署もわからないの」

千種税務署なんてマイナーなところ知らんしと思いながら交差点を右折待ちしてたら

客「今の行けた!」

私「・・・」

客「行け!」

私「すみません無理できないんですよ」

あっ稀にいるクソ客だと思った。

相手にすると面倒くさいので無視することにした。

客「今の行けないの」

私「・・・」

客「運転手さん何年やってんの」

私「・・・」

客「大丈夫かお前」

私「・・・」


今池のあたりになるとやっと静かになった。

クレームになるといけないから少し話しかけてみた。

私「結構、車多いですね」

客「そうかもなー」

落ち着いてくれてよかった。


タクシー運転手は下に見られることが多いから職業蔑視には慣れている。

でもシラフの人がこんなに言うのは珍しい。

この言い方でいつも若い運転手に吹っかけてるんだろうなと思った。


お客さんだから好きなこと言っていいけど、

タクシー運転手はあなたのしもべではありません。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る