第9話 おやすみ
「ははは、そんな事信じられる訳無いだろう。大人を揶揄うんじゃ無いよ。補導されちゃうよ?」
でも…
さっきチラッと見えた牙が気になる…
日に当たれないの言葉通り、アルビノみたいな白子とは違う。
日に全く当たってない白さだ。しかも男の子でこの年頃…色が白すぎる。
「吸血鬼…だったらやっぱり血を吸ったりするの?」
「まあね。血がないと生きていけないし。」
「ここで…獲物とか待ち伏せてるの?」
「ふふふ、まあね」
この時間、この容姿で信じそうになってしまう…
「じゃあ、僕が獲物って訳かな?」
「ふふふ」
「僕は君が獲物だけどね。君を食べたいな」
「いいよ。じゃあオジサン、僕に血を少しくれない?」
「僕はまだギリギリ20代だからね。オジサンじゃなくて紫苑ね」
「ふふふ。僕はミロ。」
「ミロ、可愛い名前だね。僕の家近いから遊びにおいで。君を食べさせてくれたら僕の血を舐めさせてあげるよ。」
「じゃあ行こ。シオン」
○○○○○○○○○○
「凄いお家だね、シオン」
「ははは、僕一人で住んでるんだよ?」
「へえ。お金持ちなんだね。」
「まあね。お小遣い欲しい?」
「ううん。血が欲しいな。」
「じゃあ先ずは少しだけね」
「ここじゃ汚れちゃうからお風呂場いこ?」
「うん、良いよ」
「じゃあまずは少しだけね。」
カミソリで手首の端を少し傷付けた
青白く細い少年が赤い舌を出して血を舐める光景は淫美だった。
「たまらないな…ミロ君、服ぬごっか」
「うん、いいよ」
脱いだ身体はまだ幼く少女の様にも見えた。
一応ついている小さな男根が辛うじて男と分かった。
「可愛いなあ。たまらないね」
「ふふふ、喉乾くね。何か飲みたいな」
「じゃあ、ジュースあげるね」
グラスにジュースを入れて渡した。
ミロはグラスに口をつけた。
「キスしたいな…」
「じゃあ、僕がジュースを口移しで飲ませてあげる。」
「わあ!嬉しいなあ」
ミロが口からジュースを流し込んでゴクっと飲み込んだ。
「美味しい?」
「う…ん…」
「好きでしょ?」
「…う…ん?」
「睡眠薬。ふふふ」
そこから意識を失った。
「僕の口からジュースに入れたから美味しいよね?凄ーく強いの入れたからゆっくり眠れるね。おやすみシオン。永遠に。ふふふ」
○○○○○○○○○○
柿安紫苑29歳、睡眠薬を服用して浴室で手首を切って湯船に浸し自殺と断定
以前から未成年への不同意性交等の淫行が噂されていました
犯罪経歴もあり、更生のため新たに働き出した職場でも未成年への暴行未遂を図り逃走
思い悩んだ上の自殺か
「お前…やってんな…」
「ふふふ」
「お前に何か頼まれたら大体こう言う結果になるって学習したわ」
「亘はシオンの住んでる所教えただけだよ?」
「…」
「これで2人目に出来た友達が元気になってくれたら良いんだけど…」
「誰だそれ?」
「うーん、佐川さん?お母さんだった人」
「お前、お母さん居るだろ。お前の父さん再婚したんか?」
「してないね」
「意味わからん」
「僕はもう少し頑張らないとだから。じゃあまたね」
「お前はゲーム実況だけ頑張れ」
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