ファンタジーとSF、ふたつの世界の融合に心躍る物語

異星探索のために航行中の宇宙船が辿り着いた星は、魔法に妖精にドラゴン、さらにはドワーフやエルフが住む「ファンタジー」な惑星だった。そんなところに墜落してしまったら、いったいどうなる??
そんなこの作品の面白さは「SF」と「ファンタジー」の融合。異世界ファンタジー的世界が舞台ですのでジャンルこそ「異世界ファンタジー」ですが、二つのジャンルの要素が上手く絡められ、「いいとこ取り」の楽しさが味わえます。

さらに面白いというか「素敵だな」と思えるのは、人間と異世界人の異文化交流の様子が丹念に描かれているところ。技術も文化も生物的要素も、お互い、何もかもが未知。お互いを見交わす視線は好奇心だったり、尽きない興味だったり、友好的交流であったり、または疑いの眼差しであったり。時にあたたかく、時に一筋縄ではいかない相互の交流が「ああ、こういうことありそう」と、とてもリアル。
それでも根底に流れるものは敵対と反発、相手を抑圧しようとする意識ではなく、「お互いを深く知った上で最善を尽くそう」とする理性であるのが心地よい。だから、これはとても理知的な物語だと感じます。さらに言えば、正反対の者どもが奏でるセッションとはこんなに楽しいものか、という爽快感。

ドラゴンが舞う空をドローンが飛び、魔法が効力を持つダンジョンやドワーフの街でロボットが蠢く。この唯一無二の世界で、ふたつの異なる存在たちはどう協力し、どんな関係を紡いでいくのか。そして主人公たちはこの星から無事に帰還できるのか。

見どころたくさん、ストーリーの行末に興味津々。みなさまもどうぞこのわくわくを共有してください。

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