孤独力とかそういうの

ただ距離感がバグってるだけだから

　孤独がもてはやされている気がする。

　昔なんて「ぼっち＝変人」だった気がするが、統計的に増えてきたからなのか、なんかすごくねみたいな話になってきてる。

「孤独力」で書籍を調べてみると、意外と出てきて驚く。

　孤独で人生をものにする。

　孤独な人は頭が良い人。

　孤独な人だけが物事を理解できる。

　あのさ、そういうのもういいから。

　別に一人が嫌ってわけじゃない。

　ただ「ぼっち」は全然褒められた話じゃないってことだ。

「おひとり様」ってよく言われるだろ。孤独な人への世間の人の評価って、そんな感じだから。

　みんなが気さくに呼び捨てとかニックネームで呼ばれるところ、「名字＋さん」付けされるから。

　そりゃ自分をコントロールして自ら孤独になっている人もいるよ。でもそれはマイノリティでしょ。

　大体は環境的に弾かれて、なし崩し的に孤独になってしまった人だよ。

　そんな人らが

　賢いと思う？

　物事理解してると思う？

　人生をものにしてると思う？

　そんなわけないじゃん。

　ずっと羨むんだよ。ありもしない幻想。ありもしない絆、理想、協力、思い出。

　アルバムもない、写真データもない、死んだ時の遺影の写真すらないと思う。

　幸い、昨今じゃAIで本物そっくりに画像も作れるから、それで何とかしてもらうか。

　孤独な人には個性がある？

　そうだよね。それにすがりたくなるよね。

　でもさ、個性って最低限の社交性があって、初めて輝くんですよ？

　表に出ない個性なんてないも同然ですし、世間に受け入れやすい形にしないと、不愉快なだけなんですよ。

　私は先日、同好会なるものにお試しで入ってみたんですけどね。

　同好だからって、分かってもらえると思って、色々勢いよく喋ってたら、ドン引きされましたよ。

　結局、数時間のうちの数十分まくしたてて、後はただぼんやりしてました。

　ただ、距離感がバグってて、思想が強くて主張がしたいだけの、煩い男だったと気付きました。

　整体、そう、数年前、整体にもいきました。

　首と肩が重くて、なんか頭もピリピリしてて、なんか辛いなあと思ったんですけど。

「姿勢見るんで直立してください」と先生に言われて、立ってみたんです。

　そしたらタブレットで写真撮られて、見せられました。

　もうね、すごい前傾。隙間が握り拳がひとつ、いや二つ入るほど前傾だった。

　何が言いたいかというと、歪みっていうのは加速度的に悪化するってこと。

　孤独っていう場所も長く居続けると、どんどん世間との距離が離れるし、果てには自分すら見失うんです。

　独りの時間が尊い？　そりゃ結構。

　私もすっかり人づきあいが苦手になってしまって、独りの時間の方が気分は良いですけど、尊いとは思えませんね。

　結局「まだマシだから」という精神性でしかないから。