SCP風の機密文書形式で進むこの作品は、読んだ瞬間に世界観へ引きずり込まれる。“赫色”を媒介に拡大する異常ウイルス、その症状の描写は淡々としているのに背筋が冷えるほど生々しい。記録者たちの語りや映像ログにもドラマがあり、無機質な文書の中に確かに“人の物語”が息づいている。短い中に圧倒的なスケールと不気味さが凝縮された、完成度の高いアブノーマリティ作品。SCP系が好きな人は確実に刺さるはず。