第4話 容疑者の逃亡

「誰がこんなことしたのっ?」


「おそらくだが、犯人か関係者・・・最寄りの探偵社がキャトフル・キャトエルで、局長の意向で伏せてあるんです」


「許せないっ。絶対に犯人を捕まえるわっ。ありがとう、局長っ」



「そう言えば・・・先ほどの男、コートの中に何か隠していたような・・・?」



「「え?」」とマックスとナイト。


「さっき、すれ違った中年男っ??」


「容疑者のひとりかもしれないっ。なぜ帰したっ?」



「あの男は確か、容疑者のひとりのジョン・バナス・・時々やってきては、金もないのに本を愛でに来る、案外と可愛いやつだ・・・」



「どうやってガラスケースから取り出す、って言うのよ?」



「闇に流れる前に、捕まえて欲しい」と局長。



「そりゃそうよ、捕まえてやるんだわっ」



 マックスが電話で確認を取って、ナイトに振り向く。


 同行するんですか?と聞かれ、ナイトは、もちろんよ、と意気込んだ。



 ジョン・バナスの住むアパートメントに向かい、


 そして古びた玄関の扉を開けて銃をかまえたマックスに、慌てて窓から飛び降りようとするジョン・バナスをナイトが奪い留めた。


バナスを床に抑えているナイトをよそに、別の部屋を見回るマックス。


「『ノットタイトル』と発見したっ」


「だとしたら、こいつが犯人ねっ。本域でボコるわっ」


 くぐもったうめき声を出す、バナス。


「・・・まて、まてっ、初版じゃないっ」

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