隣の席の美少女が投げやり不幸モード全開だったので励ましたら、責任取って付き合うことになった。何故だ。
和尚
序章
プロローグ
「じゃあさ、キミ、私と付き合ってよ」
その少女から投げかけられた言葉は随分と投げやりなものにも聞こえた。
「……へ?」
決して、静かとは言えない夜の中。
車が走っていく排気音や、仕事を終えたらしきスーツ姿の人が脇を歩いていく足音の隙間を縫うようにして不思議なほどはっきりと聞こえたそれに、僕は呆けた声を出した。
夜の街灯に照らされた金髪が、笑うように揺れる。
「小さな幸せを感じられるキミの力で、私のことも幸せにしてって言ったの」
確かに今日は、冗談のような展開が続いた日だった。
そして、その締めくくりのような、冗談みたいな状況であるのに。
経験が浅い僕にはわからないけれど、戸惑う僕を真っ直ぐに見つめる彼女の視線は冗談のようには見えなかった。かと言って、自暴自棄になっているようにも感じないのはもしかしたら、僕自身の願望もあるのかもしれなくて。
僕はその言葉に静かに――。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます