女子校日記

しょうがさん。

第1話

「女子の花園」


世間からはそんなイメージのあるであろう

「女子校」

花の匂いのする可愛い子たちが、 

「ごきげんよう。」

と挨拶を交わす、、、













なんて幻想を抱いている世の男子に物申す。



この物語は女子校jkの生態をあらわにしながら、1人のズボラ女子の1年間の初恋を描く物語である。







はるちゃん、はるちゃん、!!


私の名前を呼ぶ声が聞こえる。よだれを拭いながら顔を上げると、国語科の福田公子が持ち前の鋭い目をこちらに向けている。


(やべ、寝てた、)


私の名前を呼ぶ声の正体は隣の席の水戸あすみちゃんだ。真面目で、とても勉強が出来て、隣の席になってからというもの余計に私の不真面目が目立つ。


原さんだけじゃないですよ。今の解説を寝ていた人はテストで8点分捨てたのと同じです。


気まずさで先生から目を背けた先には、斜め前の席で先程まで私と同じように寝ていた浜崎さんが後ろから見ても分かるくらいに恥ずかしさなのか、顔と耳を赤らめていた。


よし、

息を深めに吸って、


ごめんなさーい!


私はクラスのピリついた空気を解くようにおちゃらけて叫んだ。

クラスにどっと笑いが起こった。

先生もやれやれ、と言わんばかりに笑っていた。

浜崎さんも笑ってた。良かった。

みんなが笑ってくれるのならばそれでいい。


丁度授業終了のチャイムが鳴り、やっと昼休みだ。


はるー私の席で食べよー


教室の後ろの方からまみの声が聞こえる。

少しハスキーなその声で顔を見なくてもまみだと分かる。


今行くー


あすみちゃんに、さっきは起こしてくれてありがとうと伝えながらまみのところに向かう。

まみはダンス部が同じで今年同じクラスになってからは毎日一緒にお昼を食べている。


あんたさっきやばかったよー

先生も笑っちゃってたじゃん!まあおもろいからいいけど!


てへっ!

だって公子ちゃんの授業眠いんだもんー


まあそれはそうだけど2列目のどセンターでは流石に寝れないわ


そうかなー


てかさ、聞いて!同中の男子から告られて、付き合うことになったの!


え!?


思わず一度持ち上げた卵焼きをお弁当箱に落としてしまった。


付き合う、、!?


恋愛経験なんてなく、小学校の時も好きな人さえできたことのない私はまみの突然の報告に驚きが隠せなかった。


そうなの!やばいよね〜

写真見せたげる!


ほら!まあまあイケメンでしょ?


うーん。


曖昧な返事をしてしまった。


あごめんごめん!確かにイケメン!


正直、イケメンだとかブサイクだとか私には分からなかった。


まあいいよ!はるは恋しないピュアガールだもんねー?


もーやめてよー!


なんていいながらまみに向かって唇を尖らせておどけてみせた。2人の笑い声が教室に響いた。


てかやば!今日昼練あるじゃん!

こんなことしてる場合じゃない!先輩に怒られる!!


まみの言葉で私も昼練があることを思い出した。2人揃って急いでご飯を口に詰め込んだ。












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