友縁もひろがる

絶叫溝鼠

友達の輪はひろがる。

0、


 戦記ものを書くにあたり、忘れてはならぬ真実があると思う。


 戦争とは人命を燃料に効率的に文明を荒廃させていく一種の機械なのだ。


 戦争が個人、一族、企業単位の微視的な幸福や栄光をもたらす事例があることを否定はしない。

 しかし、より長期的に、より巨視的に概観した場合、戦争は「拙さを競う経済活動」との誹りを免れないものだ。


 読者の皆様には、この真実をゆめゆめお忘れなきようお心がけくださいますようお願い申し上げます。


1、


 街の朝は常に慌ただしいものであるが、この日は性質が違った。

 市内放送がなるべく多くの者へ伝えるため騒ぐ。

『わに市の市街に向け電算帝国の軍勢が進軍中です。身の安全を最優先に落ち着いて行動してください』


「おかーさん。どうして人の国はわにの街に攻めて来るの?」

「分からない。お母さんも分からない。噂じゃ私たちがリスだから食うために襲って来るとか聞くわ。でもね、きっと、兵役に行ってるお父さん達が人間をやっつけてくれるわ」

 避難バスの列に並ぶリスの親子が不安に耐えながら励まし合う。


 しかし状況は悪化した。

「おしまいだ!」「何だあれは!」「飛行機だ!」「人間よ!人間が乗ってるわ!」

「なんともおぞましい!」「人間が何匹も落ちてくるぞ!!」

「落下傘が開いた!」


 女と子供と年寄りしか残っていない状況のわに市の住民は恐れわめく。

 リスの兵隊たちが速やかに対応を取った。


「高射砲部隊!効力射!撃ちぃ方はじめぇ!」

 大地の自走高射砲から火の雨が天空へのぼる。

 空から降りてくる人間どもに向けて高射砲が連射される。

 リスの高射砲部隊の懸命な抵抗である。


 しかし人間の兵士たちも彼らの落下傘もリスの兵隊が展開する必死の弾幕攻撃を避けようとすらしない。

 全ての高射砲の砲弾も、空中で花開く爆炎も、その衝撃も人間の兵士の前には何の効果も得られない。


 それを観賞させられた街のリスたちの混乱具合は甚だしく深刻だ。

 右へ走る者に左へ駆ける者、逃げる者に挑む者。

 落下傘につるされた人間の兵士たちはリスの混沌具合を高所から眺め、戯れに銃弾を降らしている。


 お遊び感覚でわに市の市民は殺されている。

 そんな絶望的な状況で、内燃機関の音が轟いた。

 人間が使う車特有のエンジン音が街に響く。


「この音は……間違いない。人間の車だ。この街は、わに市は陥落したんだ……」

 老いた男性のこの一言で狂ったような群衆混乱は止んだ。

 しかし、それは安寧と真逆の感情にみんなの心が満たされてしまったためだ。

 人間の落下傘部隊がわに市の市民を襲わんと降下する。


2、


 人間の車のエンジン音は段々と大きくなってゆく。近づいているのだ。

 リスが日進月歩と、苦心惨憺と積み上げてきた文明文化の塊である高度で立派な高層建築。

 それを冒涜、蹂躙していた人間達の手が、ふと止まった。

 人間たちの注目を浴びるのは人間が乗り、運転してきたその車。


「おい!その白い車をどこからちょろまかしてきた!」

 人間の兵士が迫る白い車に無防備に呼びかける。それは続く。

「細かいことは良いじゃねえか。同じ人間だ。歓迎してやろうぜ」

「救急車?っぽいね。リスも救急車使うんだ」

「運転席を見ろ!人間だよ。この車の持ち主は同胞だ」

 救急車に乗った人間の少女は停車した。


 救急車から出てきた少女の格好を見て兵士らは笑い出す。

「歴史の教材かよ!」

「その装束どこの部族の方なんだぁ?」

「やっぱりリスの国だから、この現代的な密着繊維が作れなかったんですかね」


 救急車の少女は言い放った。違和感を覚え始める人の兵隊。

「電算帝国!あなた方の狼藉もここまでです!」

 少女の肩にはリスが立ってこう続けて申す。


「これは降伏勧告です。電算帝国軍の皆さん。降伏してください。貴軍の本隊は、上陸部隊は我々の機甲部隊に蹴散らされました。これ以上の戦闘は我々と皆様方双方に意味がな……」

 人間の兵士たちは発砲した。


 その銃撃は肩のリスにも何発か命中するはずだった。

「その腕はなんだ!裏切り者!!」と言ったのは人間の兵士。

 少女は右腕で肩のリスを銃撃から守った。


 銃撃を浴びた筈の少女の右腕は、右腕だけは別の衣装に着替えていた。

 正確には変化していたのだが、彼らはその事実をこの場では知らない。


「裏切り者!これでも食らえ!」

 大量のリスの市民が乗り込んでいるリス用バスを人間の兵士の一人が投擲した。

 慟哭の合唱がバスの中からあふれるように響く。


 空を高く経由して落下するバスを少女は容易に両手で受け止めた。

 少女はそっとバスを大地におろす。

 バスの窓が開き、中から次々と帽子をふる謝意の示唆と「ありがとう!」との感謝の声が来た。

 少女の両腕部は知らぬ間に着替えてある。


 一方電算帝国軍側に動きが有った。

「隊長!分隊支援火器準備できました。2台あります」

「よし、あの裏切り者に向けて撃て!」

 2台の分隊支援火器が大量の銃弾を少女の全身に浴びせる。


 火器の発する強烈な圧力で少女は弁慶立ちのまま、かかとで地を掻いて背後の方、後方へ押し込まれる。

 にわかに別方向から拡声が鳴る。


「そこの人間の兵士集団に告げる!すでに我々は貴部隊を包囲した!ただちに降伏せよ!投降せよ!」

 人間たちは周りを見渡す。

 リスが乗った戦車と装甲車の部隊が二つ、自分たち人間の兵隊を一方的に叩ける位置に布陣していた。


「裏切り者を使って陽動しただと!どうします隊長!」

「うるさい!リスごときが!野獣ごときが命令するなああ!そう返せ!せめて、あの裏切り者だけでも殺してやる!」


「隊長!副隊長は意見具申します!この状況では仕方がありません。こうふ……」

 隊長は副隊長に向けて拳銃をむけようとした。

 そのとき、何者かに隊長の体は地面に叩きつけられた。


 その者は、全身をかわいらしく着飾った裏切り者である。

「この強さ……は、我々と同じ……」と副隊長が驚いて不意に言葉を吐いた。

魔法少女は力強く肯定する。

「そうです!私も電算帝国の兵士でした!7号主力戦者Mark2Mod1指揮通信強化個体。識別名はE1G42。現在はリスの国のヒーローガールをやっています。リスの国は電算帝国とは違い寛大です。だから、だから大人しく降伏しましょう」


 魔法少女はそう説きながら空挺部隊の隊長を気絶させた。

 ヒーローガールは気道を確保して回復体位で隊長を寝せる。

 副隊長を含む人間の部隊は虜囚の辱めを受け入れた。


3、


 救急車がリスの軍事基地にて停車している。

 何匹もいるリスが救急車の車内に詰め込まれていた人間の捕虜を連れて収容施設へ護送してゆく。

「お疲れさま。ヒーローガール。それとも、原初の魔法少女と言った方がいいのかな?」

 リスにそうねぎらわれ、緩んだ微笑みを顔にたたえるのは、裏切り者と呼ばれた少女であった。


 彼らは本来リスの車が詰め込まれるガレージを改装した人間用の居住部屋にいる。

 元々車の施設だったためこの部屋は夏は暑く冬は寒い。


「バスの中に死者はなかったよ。骨折した者はいたけど。流石人間様だ」

 リスは羊羹を少女に手渡す。

「そうなんだ。隊長。この戦争、早く終わると良いな」

 少女は電算板と呼ばれる手のひら程度の大きさの通信端末を1つ1ついじっていた。


「なにをしているんだい?」隊長が訊いてきた。

「これね、捕虜になった子たちの電算板。新しいゲームソフトとか、新しい音声小説とか無いかなって。探しているの」


「ないなら作ればいいのに」

「無理。第一に私は文字読めないし。そのことは隊長も知ってるでしょ」

「優秀な戦士なのに文盲のままだったなんて。電算帝国は歪んでいるとリスの1匹は思うよ」


「しょうがないよ。家族も文字も市民階級のものだし。それに説明は電算板がしゃべってくれるから文字は要らないと本気で信じていたんだ。私」

「じゃあ復習ね。3かける4は?」

「12」


「馬鹿にしすぎたね。じゃあ次は国語の問題だ」

「ぶぅー!やだ!文字やっぱり難しいよ!『るとろ』とか『ねとれとわ』とか『むとお』とか!でも『そ』は上左部が一点の時と、線で繋がってる時の二つの見た目が有るし!」

「フォントの違いだね。わびさびだよ。わびさび」


「わびさびと禅とブシドー!この三つの単語を出していればカッコつくもんね。重要施設の建築物は赤煉瓦造りなのに!」

「それは、合理的な和魂洋才だよ」

「また私が知らない単語出して誤魔化そうとする!騙されんぞ!欺かれないぞ!」

「はい!今のごまかすとだますとあざむく、漢字で書いてみようか!」


「私学習きらーい!!!」

 一人と一匹は笑う。

 しかし、戦争は理不尽に人とリスの営みを破壊する。

 じじじと警報機が起動する音を聞き、一人と一匹は部屋を出る。


 向かう先には救急車。

『まぐろがさき地方にて、電算帝国軍の領海侵入の痕跡が確認されまし……』

 警報を背に救急車は赤煉瓦の軍事基地から出動した。


4、


 体の側面に「電算帝国 技術開発設計局」と名乗る船に人は1人しか乗っていない。

 船の通信機が命ずる。


『戦者よ。そなたに、無人歩兵部隊をゆだねた。新技術の評価試験をこれよりはじめよ。これはそなたが市民階級に戻る唯一の手段である』


「機会をいただき感謝します。電算皇帝閣下」

『良い結果を報せよ』

 無線通信は切られた。


「僕は本物を取り戻す!仲間、友人、同期、有志!全部がぜんぶ家族の代替品!だから僕は、本物を取り戻す!市民に再びなりあがってやる!!」


 船から4機のヘリコプターが発艦した。

 誰も乗っていない空っぽの船は、技術開発設計局の船は爆ぜると海の底へ沈んでいく。


5、


 救急車の窮屈な車内で多数のリスと一人の人間が袋に嘔吐している。

 リスたちは殆どが『ヒーローガール輜重しちょう部隊』と書かれたワッペンを背中に縫い付けたスカジャンを着用している。

 そのひとりの作戦参謀がこう言った。彼は珍しく車酔いしていない。


「おかしい。まぐろがさきの沿岸をなぞるように船が動いている。まるで見つけられること自体が目的のように」


 ヒーローガールが反応する。

「そ、そう、今はどうでもいいかな。ちょっと、車を……停めて……。せめてアスファルト舗装が施されてる道を通って欲しかった。あ!馬鹿!前見て前!今、木にぶつかったら!」


6、


 数分後。

 人間の大きさに合わせた輸送回転翼機が海沿いの丘に着陸する。

 回転翼機の操縦者達は扉を開くと、いの一番に嘔吐物の臭いに顔をしかめた。

 吐瀉物まみれのヒーローガールと輜重部隊が回転翼機を歓迎していた。


 流石に輸送機側の要請で海にて体のゲロを流してから乗りなおすことになった。

「呑気ねぇ」服を洗う人間が一人いた。

 応えて返すのはリスだ。


「そうでもないよ。一応周辺地域の住民は緊急避難させているから。最短で本件を処理する義務が私たちには有る。民間のリスを動かしちゃった以上ね。回転翼機……あ、分かんないか。ヘリコプターの中でブリーフィングしなおすから、そのつもりでいてね」

 沖の方の若いリスが大きい声をあげた。


「みんな!報告された船に近い外観の沈没船見つけた!こっち来て!」


7、


 沖に船が沈んでいる。そこには証拠写真を撮影するリスと人間が居た。

「この船は無人歩兵とその輸送機を乗せてたようだよ」

「ヒーローガール。なぜ分かるんだい」


「隊長さん、それは電源と電池が不自然に多いからだよ。その割に索敵装置がお粗末だから、偵察用の船とは考えにくい。エンジンが冷えてるから敵が去ってから時間が経ってるよ。ヘリに急ごうか」


8、


 帷幄いあくに汗を浸したような軍服の作戦参謀のリスが訪れた。

 ここはリスの国の即席の戦闘指揮所内である。

「船の発見地点から北方すぐの海域で電算帝国の無人歩兵の部品が見つかりました」

 作戦参謀は写真を数枚並べる。

 それは先のくだりで魔法少女の部隊が撮影したのも含まれている。


 司令官が発問する。

「仕事が稚拙ちせつ粗雑そざつだな。通った経路も機材の処分も素人仕事だ。あげく捨てた船も敵に今こうして分析されている」


 答えたのはヒーローガール。

 無線機で参加している。本人は輸送ヘリの中だ。


「おそらく指揮官は市民階級から戦者階級に落とされたばかりの人。『まぐろがさき地域』は数日前に襲われた副首都『わに市』と激戦区になってる『こざかな諸島』の丁度中央部にある半島でしょ。電算帝国としては補給路を絶ってこざかな諸島の部隊と艦隊を枯死させたい。といったところかな」


「それにしては発見された船の規模が小さすぎるぞヒーローガール」

「司令官さん。この指揮官は電算皇帝の捨て駒だよ。最初から成功すれば幸運程度の期待しかされていないと思う」


「そんな者に電算帝国は兵を預けるのか?」

「だから無人歩兵です。腐っても元市民なので手向けられたんですよ。鉄塊と新技術部隊の指揮官と言う立場を」


「電算皇帝に情が有るのか無いのかわからんな……」

「皆さん、作戦区域に突入するからお別れです。これにて失礼します」

 無線が切れた。


9、


 作戦区域に突入した魔法少女を熱烈に歓迎する人間がいた。


「やっと来てくれた!ああ、なんて素敵な勇者様!私の愛しのヒーローガール!」

 突然、人間の女性に抱き着かれてヒーローガールは何もできない。想定外の事態だった。


 なぜなら、なぜなら。


「待って!わに市の戦いで捕らえた副隊長が何でこんな変な人間になってるの!おい!どこを触る!」

「あ、その個体やっぱ人間の常識でも変人に分類されるんすね」

 学者のリスが頷きながら紙に文字を書き並べてていく。


「そんな酷い!私との関係はお遊びだったんですか!」

「知らないよ!遊びの要素ゼロだよ!そもそも無いよ!」

「そうですよね!信じていました!本気で真面目に私の命を守るためだけに戦場に来てくれたんですよね!」

「たぶん違うけど!」


「あの時から私は変わりました!今では貴方の写真を見ないと心の欠乏感が半端なく強くなってつらい。でも写真見るだけで守られているって実感が溢れ出してきて胸高鳴るんです!!」


 そう言うと副隊長の女は魚の鱗の様な鞄を出してきた。

 ヒーローガールが目を凝らすと、自分の顔が無数に並んでいる。

「私は、一人の人格を歪めてしまったんだね……」


 ヒーローガールは元副隊長相手に何もできない。

 リスたちは戸惑うが体格差がありすぎて手出しできない。


 様子がおかしい副隊長を引きはがしたのは別の人間だった。

「ほら!作戦行動はじめるぞ!てめえら!」

「え、声が低い。こんな身長なりで男なの……?」


 ヒーローガールは信じられないと言った反応を示す。

「黙れよ雑兵!」

「おかしいでしょう?このチビ男、私を殺しかけたんですよ」

「かけた?誰に助けられたの?」

「やだなあ。もちろん、あなたさまですよ!」

 リスが説明を付す。魔法少女があまりにも事態を飲み込めていないと彼は判断したのだ。


「ヒーローガール。こちらの方々は先日わに市の戦いで貴方が交戦し捕らえた虜囚の人間達です。その一幕で興奮した隊長が副隊長を射殺しようとしたらしいのですが……貴方が助けたそうで」

「ああ、そんなことしたっけ……」

 ヒーローガールには心当たりがあるようでない。


 低身長な元隊長が低く唸る様に怨嗟の声を魔法少女に吹き込む。

「俺は負けてねえ。予告する。お前が油断した隙を見て、俺は雪辱を晴らす。終焉の宿命が恐ろしいなら精々、慢心と怯懦を飼いならすこったな。カっハハハ。ククククク」


 ヒーローガールは元隊長様の両脇に手を差し込み、持ち上げてあげた。

「はい、高いたかーい」

「てめええええええええ!許さねえ!許さねえからなああ!」


「隊長ずるい!私も!私も高いたかいしてください!私の英雄!!」

「今ねえ、作戦行動中なんだけど、そこんところ分かってんの!?人間の方々!!」

「「「失礼働きました」」」


10、


電算帝国 技術開発設計局 新技術実装評価部隊 無人歩兵ログ(時系列順)


無人ヘリA:無人歩兵分隊1と同2をまぐろがさき沿岸に投入。

ヘリB:無人歩兵分隊3と同4をまぐろがさき沿岸に投入。


無人歩兵分隊4:当部隊の進行方向に地雷多数検出。指示を乞う。

分隊3:敵部隊と交戦。


指揮官:無人ヘリAは分隊3を支援。無人ヘリBは直接操縦する。分隊1と2も3の所在地へ急行。分隊4は放棄する。無人ヘリCとDは無線封鎖後そのまま奥へ。


分隊1:敵部隊と交戦。

分隊2:敵部隊と交戦。


11、


指揮所のリス達は震える。

「ログが丸出しですよ……ひらぶんで……」

「ホントに素人なんだな……」


「ちゃんと指揮官様が現場確認してないから、分隊3は何かを敵と誤認して弾切れ。分隊1と2は互いを射撃しあって壊滅。無人ヘリCとDにいたってはこうですもんね」


 こうと言われたのは指揮所の壁面地図に丁寧に貼られた一枚の写真である。

 そこには網に絡まって塗料が一部剥げた以外に損傷部がない綺麗な無人ヘリ2機が写っていた。


「われらは我らの仕事をするだけだ。ヒーローガール、間抜けな敵さんと合流して。経由するウェイポイントは……」


12、


 まぐろがさき沿岸。

 この日の午後は天候が急変し雲が厚く、激しい雨が降っている。

 低空を舐めるように進むのは無人ヘリB。

 1つのヘリは雲へ潜り、進む。


「CとDが無線封鎖してる。自律して動いてるんだ。これが新時代の戦場!自動化された鉄の戦士たちが野獣を駆逐する!僕は、僕は新時代の、本物の軍師なんだ!」

 ヘリは雲を抜ける。


 雲からとび出した飛翔体は2つあった。

「え??」

 無人ヘリ、そして2つ目は魔法少女だ。


 彼女が曰く、

「はいはーい。後ろ見て。後ろの上を見なさい。無人ヘリBの中に籠った名指揮官様。本物の軍師様」

 振り向いた新時代の英雄の瞳に像が映る。


 それは前時代の魔法少女。

 彼の理想では存在してはいけない魔女であった。

「夢から覚めようか。坊や」


13、


 無人ヘリBは魔法少女の指示に従いまぐろがさきの漁村のヘリ発着場に着陸した。

「今からあなたは捕虜なんだから電算板回収します。ほら、早く出す!」

 せかすヒーローガール。


 先程まで軍師を自認していた捕虜は大人しく差しだすほど機嫌がよくない。

 電算板を投げ捨てた。


「ああ!嫌がらせしないの!私のゲームソフトが!略奪するはずだった小説音声がぁ!」


 魔法少女がドブをさらい見つける。見つけた電算板の電源を入れた。


 大人の男女と赤子の写真が電算板の表面に映る。

 魔法少女の頭の中に詰まっていた捕虜から暗証番号を聞き出す算段や、電算板にどんな宝が入っているのかと言った期待が、下心の類が丸ごと吹き飛んでしまった。


 今はただ、捕まえた一人の元市民に憐憫の情を覚えざるを得なかった。

「い、痛いよね。家族が元から存在しないより、失った方が絶対もっと苦しいよね」

「だまれ」


「で、でも、私も、分かるよ。いるもん。友達とか、同期とか、仲間とか、有志とか!い……」


「黙れよ!お前は知らないだろ!見たところお前も元電算帝国の戦者だろ!軍の調達計画を根拠に生まれた殺戮の道具だろ!ガラスの子宮で計画的に大量生産された『偽物の命』でしかないお前に!家族を持っていた本物の人間の心は断じて分らんよ!裏切り者……。いや、者ではないな。こんの欠陥品!お前は兵器の働きすら満足にこなせない間の抜けた木偶の坊だ!」


 真剣に正面から痛罵された。

 一人の少女の目が潤む。塩が含まれた水が溢れ出す。

「ごめん。もっと、上手に心配りできなくて……」

「謝ってすむ話じゃない。これで僕は市民に戻れなくなった。何があっても許すことはない」


 捕虜は毅然と護送車に自ら歩む。

 護送車が地平線に隠れるまで、ヒーローガールはかろうじて立っていた。

 絶望に陥った者の心に、魔法少女の力は酷く無力だった。


14、


 1つの無人ヘリがお空で旋回し弧を描く。

 そのヘリの尻尾に設けられた回転翼のトルクを打ち消す小さな回転翼が砕けた。

 無人ヘリは大きな回転翼のトルクに負けて蝶々よりへたくそに落ちていった。


「よくやった。副隊長。狙撃は成功だ」

「今は対等の立場のはずですよ。『元』隊長」


「ふん、どうでもよいじゃねーか」

「悪いです」

「こまけえことはいい。次は……」


 自動2輪にまたがり元隊長が移動する。

 指揮所から送られた地図を読み取り、2輪車を捨てた。


 ここからは足で走った方が静かに戦える。

 膝栗毛して元隊長は無人歩兵を見つけた。

 彼らは分隊でかたまっている。

 元隊長はサブマシンガンを構えた。


 銃撃音が3連続で鳴った。3発くらった無人歩兵1台が壊れる。

「俺が主役だ。有象無象の鉄人形ども!」

 元隊長が放った銃弾を検知して他の無人歩兵は自衛行動を始めた。


「雑魚雑魚雑魚雑魚!人形ども!もっと必死に抗えよ!もっと俺の気分を高揚させろよお!」

 元隊長のナイフとサブマシンガンの前に無人歩兵の分隊はあっさり壊滅、鎮圧の憂き目に遭った。


「元隊長。その人形たちを出来るだけ無傷で確保するのが任務ってブリーフィングでリス達が言ってましたよ」

 元副隊長が呆れてこうものをいう。


 元隊長は不機嫌に舌を打ち「わあってるわあってる」と答えつつ無人歩兵の頭を拳銃で破壊した。


15、


「まぐろがさき半島に侵入した無人兵器群の多くを軽微な損傷で丸ごと入手しました。指揮官も拘束しました」

 暗い広間の中央にヒーローガール輜重部隊の隊長が背筋を伸ばして報告している。


 報告を聞くのは直属の高級将校だけではない。リスの国全体の軍政を担う大臣や、海軍の提督もこの場にいる。


「我々リスの国は機械工学分野では電算帝国に大きく後れを取っているのが現状だ。その中でよく頑張ってくれた」

「頑張ったのは我々だけではありません。勇敢に自主的に電算帝国と戦ってくれる人間の協力者の貢献も大きいです」


「今回の作戦で捕らえた捕虜は電算帝国の文字が読めると聞く」

「ええ。なんでも元市民階級の者だそうで」


「なるべく重用したまえ。これで電算帝国の多すぎる謎が、実態を隠す霧が晴れる事を祈ろう」


16、


 リス達が、人間に署名させた機密保持誓約書を数えて話が始まった。

「我々はリスの国南西部に位置する政治的首都イノシシ市へ移動する」

 元空挺部隊の隊長は手を挙げた。輜重隊の隊長のリスは発言を許した。

「いくら何でも不注意な点が多いだろ」

「どういう意味かな」


「元敵兵をわざわざ首都に送り込むなんて。俺たちが裏切ったらどうするつもりだ?危険管理上問題が山積してる」

「諸君らは今、元老院に呼ばれている」


「元老院ってなに?」魔法少女は小声で隣に陣取った元空挺部隊副隊長に説明を求めた。

「原始的で初歩的な国家全体の意思決定を担う議会です」

「……。よく分かんないな」


「電算帝国だと電算皇帝が法律の制定から裁判、行政に至るまで担っていますからね。無理もありません」

「ふうん、分かんないからいいや。ところでイノシシ市って首都なんだよね。立派な長身建築とかあるのかな?」


「そこの二人。聞こえてんぞ」と介入したのは空挺部隊の元隊長。


 リスの隊長が説く。

「イノシシ市は政治的首都であって、ヒーローガールが期待している長身建築はほぼないです。イノシシ市は内陸部に綿密な都市計画を準備して建てられた街ではあるけど、副首都のわに市の方が都会です。第一に、わに市は港町ですし」

「「「へぇ~」」」


17、


「……。彼らはマツタケ政権の戦争回避の努力が足りなかった罪と、民間人避難の訓練不備による犠牲者なんです。このように今現在でもこざかな諸島の一部地域では住民の生命と財産が脅かされています。本件に関してマツタケ太政大臣の認識を伺います。」

「太政大臣 マツタケ ユタカ 君」

「今回電算帝国の侵攻を受け財産や命を奪われた方とその遺族、ご友人の……」


 人間たちの心は一つ。早く寝たい。すぐに寝たい。

 水をちびちび飲んでごまかせど、睡魔はしつこくやってくる。


「では電算帝国の兵士だった人間の方々に伺います」

「おきて、おきて私の英雄!」

「ふぁ、ついにヒーローガールの出番が来たんだね」

 低身長が寝ぼけた魔法少女を目覚めるまで軽くはたく。


「今のセリフはフ○リキュアに怒られるから注意しろよ」

「そうだ。元隊長は魔法少女アニメ見てたな……」

「うるせえ!そうだけどちげえ!全部脚本家が悪いんだ!黄色髪の子と青い髪の子が好きだったのに!」


 リスの隊長が耳打ちする。

「これリスの国全域で放送されているから変な発言したら困るのキミたちだからね」

 人間たちは黙った。


 野党の党首が問う。

「先日のわに市街の戦いでは群衆雪崩も発生し死者・行方不明者が数十鼠にのぼります。そちらの人間にしては低身長の方がわに市の戦いで指揮を執った戦士だとの情報は本当ですか」


 低身長は元老院の全ての議員に謝意を示し、誠実に述べた。

「ああ、そうだ。いや、はい、そうです。逃げはしませんよ」


「何か、わに市の件で後悔した経験は有りますか」


「後悔か……。

 正直、あの時の俺は自分じゃないと言いたくなる。元気な子供のリスを見るほど他責の衝動が強くなる。


 幸い私は戦地で捕まり、多くのリスが懸命に働く姿を観察する機会に恵まれた。

 電算帝国の声明、発表、宣伝の内容と大きく矛盾する立派なリスの国だった。


 俺は野獣を狩る猟師に、開拓者になった気分でリスを殺していた。


 まったくリスがここまで高度な文明社会を持てただなんて思いもしなかった。

 許してくれとは言いません。なぜなら許すか否かは被害者側が決める権利を持つからです。


 俺でも虫のいい話だとは思うが、せめて電算帝国に抵抗戦を挑む形でこの国に、リスの国に貢献していきたい。

 それが一番の責任の取り方だと考えている」


 元副隊長が弁明しようと席を立った時である。警報が鳴った。


18、


「状況は」ヒーローガールの問いかけに答えたのは低身長の人間男。

「電探の索敵範囲より高い空を飛びやがった敵がいる!」


 リスの隊長が次の指示を出す。

「ヒーローガールは局地超高空戦仕様で出撃!懲罰人間部隊は別の部隊が呼んでいる!」


「懲罰人間部隊!?なんていやな名前!」人間女性の元副隊長が不満を漏らす。

「部隊の名前などどうでもいい。それとも名前が戦闘力に有意な影響を出す研究でもあるのか?」


「元隊長だまってください。ああ!私の英雄!私も頑張って生きます!また逢いましょうね!」


「喜べ。元じゃなくなったぞ。今から俺は懲罰人間部隊隊長で、君は副隊長だ」

「ええええ……。まあ、いいです。仕事に私情を挟む趣味はないですから」

 ヒーローガールは懲罰人間部隊の二人とは別の道をゆく。


「ごめんリスの方の隊長、局地超高空戦仕様って何!?」

「これまでは陸地と空、正確には高度3500mまでの範囲がキミの縄張りだった。いわば汎用魔法少女コーデだ」


 隊長はヒーローガールの肩に乗る。隊長の指さす方へ彼女は進む。


「そして今度は高い空へ駆け上がる事に特化した新しい魔法少女コーデを仕立てたのさ」


 隊長は人間が乗る大きさの消防車へ魔法少女を誘導した。


『魔法少女輜重部隊より戦闘指揮所へ。

 魔法少女が変身シークエンスに入ります!

 陽動作戦をはじめてください』


「どゆこと!?」

「後で説明する!早くこの消防車の梯子の籠の中に入って!」


 ヒーローガールは従った。

 そして消防車の梯子が大地に垂直に立ち上がった。


『冷却剤噴霧開始。推進剤噴射開始。点火7秒前!』

「点火って、なにをもやすの!消防車なのに!」

 ヒーローガールの指摘は黙殺された。


『6,5,4,3,2,1。点火!』


「誰か説明してえええええええ」

 消防車の梯子の籠が、天を支える柱のような立派な煙を出しつつ、力強く上昇していく。


 梯子の支えもすぐなくなった。自力で、籠は自力で上昇を続ける。

 籠の中ではヒーローガールの着用していた服が変化していく。


「服が溶け始めた!」

「落ち着け!魔法少女の特殊な衣装を一旦繊維に戻して、そして新しい服を再構築している最中なんだ!」


「やってる事が蝶々の蛹!!」

 電子音声が報告する。


『ヒーローガール 局地超高空戦仕様 まもなく構築完了します』

 籠は星がきらめく暗闇の宇宙と雲が漂う青い空の中間の世界へ突入した。


 籠が、その世界で爆発した。

 この時、指揮所の司令官と作戦参謀はこういう問答をしたという。

「原初の魔法少女は!」

「爆ぜて、蒸発してしまったのでは?」


 一方でこちらはお空の世界。

 籠だった爆炎の中から、局地超高空戦仕様の魔法少女が上へ飛び出した。

 より高く、さらに加速する。


 その姿を画面越しに観察していた指揮所では、

「ま、魔法少女は、原初の魔法少女は健在なり!局地超高空戦仕様の実装にも成功!」

 と吠えるように指揮所の担当官が報告した。


 司令官は直接通信端末の収音機を握り言った。

『陽動部隊。十分だ。変身シークエンスは無事完了した。陽動も成功した。ただちに帰還されたし。ただちに帰還されたし』


『ガッツ1。コピー』

『スーパー2。コピー』

『シグ3。コピー』

『アイズ4。コピー』


 リスの国の戦闘機ノーマルファイターは敵との戦闘を切り上げ撤収の途についた。

 彼らが見上げると、大地から続く航跡雲が頂点に輝く星にまで届いていた。


19、


 その頂点に輝く星の話をしよう。それは彼女である。


「凄い!空の上って冷たい!服の表面が、顔の表面が微細な氷で覆われている!」

 宇宙服を身に着けたリスが肩に乗る。そう、彼女とは原初の魔法少女である。


「ヒーローガール。不思議な点があるだろう?」

 空に、いわおが浮いている。「それだよ」とリスは言った。


 ヒーローガールは双眼鏡で巌を観察した。

 巌の表面に文字が見える『Brave-0』。


「ブ、ブ、ブラべ丸!」

「ブレイブゼロね。でもすごいじゃん。今、立派に文字が読めているよ」


「アレをどうするの。何をすれば勝ちなの?」

「あの巌を砕く事」


「……。無理だ。私の火器はNATO弾。これじゃあ、あの規模の岩の塊の軌道をそらすのも無理だよ」


「弾種を見なさい。今装填している弾丸は誘導装置が埋め込まれているんだ。あのBrave-0の脆弱部位に弾丸を当てるだけでいい。あとは、現在地上基地から上昇中の試験特務機2機が砕いてくれる」

「しけんとくむき……。まあいいや。やれることをやるだけ!」

 ヒーローガールは前進上昇した。


 正面から迫る反航の巌。その直上を舐めるように魔法少女は飛ぶ。

 やがて進撃する巌の尻の直上に到達した。

 ここで進行方向を反転させ緩やかに下降。

 同航になった巌の詳細を観察する。


 巌ことBrave-0はキノコ状の構造を有していた。

 傘の付け根に当たる部位が、誰が見ようと脆弱なのは明らかだ。

 魔法少女はその部位へ3連発射撃を2回敢行。仕事は完遂した。


 重責から解放されたヒーローガールはゆるりと気楽に離脱しようとした。

 このとき眼をBrave-0から離した事が彼女の瑕疵かしだった。


 巌が回り始める。

 まるでライフル銃の弾丸のように回りながら前進する。


 回ると遠心力が発生する。

 これに乗って巌の傘の内側から多数の全翼機が高速で射出された。


「電探に感有り!後ろ後ろ!」

「ええ!?」


 全翼機どもの各左翼表面には『Brave-1』、『Brave-2』といった具合に名前が記してある。

 全部で16機だ。高い空に4の編隊が形成された。


 たった1人の魔法少女を4個の編隊が追う。

「飛べるか?進めるか?ヒーローガール」

「一分も無理っぽい!落とされる!落とされる!」


「落ち着け。彼らをよく観察しろ!敵さんは無人機だ。陣形に乱れが無さ過ぎる」


 1朶の全翼無人機の編隊がアフターバーナーを働かせ一瞬で魔法少女を通り過ぎた。

 4機仲良く魔法少女の斜め下の空で爆炎に化けた。やがて炎は黒煙に成り果てる。


 残る編隊は3つ。

 いや、2つになった。


 ヒーローガールを狙う編隊の最前機がエンジン不調で編隊全機を巻き込み爆発したのだ。


「全翼機はこちらの記録に接触事例が無い機だ。すなわち最新鋭機。と言うことは同時に『未だに課題の洗い出しが十分に行われていない機材』と言う事でもある」

「何が言いたいの?隊長さん」


「君が飛び続けるだけで全翼機連中は自滅するって事だ」

「それはこっちもそうだよね!?」

 魔法少女が疑念と信頼に心揺れつつ粘り飛ぶ。


 粘り飛行を1分強ほど続けると、隊長の判断は当たった。

 1朶の編隊が勝手に爆発し、残る編隊は1つになった。


 その頃になると、隊長が述べた『巌を砕く試験特務機』が天上世界に参戦した。

 ヒーローガールは喜びと期待で試験特務機を見た。


 目を凝らしてみると試験特務機の主は懲罰人間部隊の隊長と副隊長だった。


「天上世界で逢えましたね、私の英雄!見てますか!不思議でしょう?これです!これが原初の魔法少女を最新技術で再現したリスの国の張子の虎!これのおかげで私もあなたに再会できました!そして、この無反動砲で恩をお返しいたします!……後方安全確認は……ヨシ!」


「お前!はしゃぎす……まて!俺がいる!お前の後方には俺がいるぅ!」

 懲罰人間部隊の副隊長はリスの国が愚公移山の志で日進月歩研究を積み重ね、ようやく制作成功した初歩的な無反動砲を発射した。


 一方で低身長な隊長は無反動砲の尻から吐き出す熱気を正面から浴びた。


「があああああああ」と絶叫しながら黒焦げの隊長は落ちていく。

「あああ!隊長が煤まみれに!誰がやったんでしょう!許せない!!」

「お前だぁ!」怒りで隊長は意識を保ち、安定飛行の態勢に入った。


 原初の魔法少女は今や後輩になった旧敵達の放った無反動砲がBrave-0を砕くのを見守る。


 こうして電算帝国によるリスの国の政治的首都イノシシ市への直接攻撃の企ては破綻した。

 3人はのんびりとリスの国を鳥瞰しつつ無線通信で指示された空港へ赴く。

「隊長もよかったですね。魔法少女になれて。中性的な顔してるから髪延ばしましょうよ」


副隊長にそう言われて懲罰人間部隊の隊長は身に迫る尊厳破壊におびえて曰く

「俺は男だぞ!」

「私の服、お古があるよ」とヒーローガールは提案した。

「お前もそっち側か……」人間の隊長は絶望した。


 女子二人で段々と話題に尾ひれがついて、ブースターも付いて、加速してゆく。

 本人の目の前で、着せ替え遊びの構想の具体性も濃くなる。

 懲罰人間部隊の隊長は考える事をやめた。


20、


 未来を先取りして申すと、この超高空迎撃戦は電算帝国とリスの国の間で生じた戦争が長期化する要因の一つになった。


 リスの国を野獣の国だと見誤った電算帝国は、この戦略兵器Brave-0を投入した空戦に敗北した件を切っ掛けに内憂外患が跋扈する時代に移行する。


 大陸国家である電算帝国の各地では市民革命や独立運動、暴動が多発し、一世紀にわたり政変が続くのだ。


 もちろんその時代のうねりはリスの国を放っておかない。

 盛者必衰の宿命はリスの国にも着実に迫って来ているものなのであった。

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