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道道25号線、それは、南大通という名前でもある。どちらの言い方でも意味は通るだろうし、北大通だって、道道24号線だ。
しかし、私はそもそもとして「南大通」という存在があることをつい最近知ったばかりだ。
大通という文字が使われている通り、車道の広さは北大通に劣ってこそいるものの、二車線はあるので、周辺の脇道などに通っているような車道と比べればそこそこ広いというのは分かる。だが、北大通と違う点でいえば、北大通は店や高さのあるビルが並んでいる上、車通りが多いのに対し、南大通は店はあるものの、住宅街で見るような小さめの建物が多く、車通りも少ない。
賑わっていないといえばそうなのだが、逆にこの静けさが丁度いいのだ。歩道と車道の境目近くにある植物は低木や広葉樹が多い。
思い返してみると、北大通では境目近くでは色とりどりの花が植えられていた。
北大通では、花の彩りや匂いを楽しみながら歩くのもいいかもしれない。ただ個人的には色とりどりの花よりも、緑がいっぱい広がる低木と広葉樹が花よりも開放感を感じる。
何か特徴的なものがないかと右に左に視線を動かしながら歩道を歩き続ける。
探していれば案外見つかるものだ。
道中、見つけたのは「石川啄木」の文字。それを見つけた後、他にないかと歩いていると、丁度その時、1台のバスが横切った。そのバスの上の電光掲示板には「たくぼく循環線」の文字があった。
調べてみると、石川啄木は76日間釧路に滞在しており、その時に釧路で働いていたそうだ。その当時の建物が南大通にあったらしく、そこを中心に彼の詠った数々の詩が石碑に書かれているのだ。
彼の出身地は岩手県なのだが、釧路は彼にゆかりのあるまちとしての魅力もあるのだろう。そう思いながら南大通を歩き続ける。
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