交差点を渡ってから、歩道と車道の境目あたりにオブジェが増え始めている。それぞれが表したいものを抽象的に表し、形を創っている。その時はあまり興味がなかったのか、調べることをせずに素通りしてしまった。また機会があればもう一度寄って調べ直してみたいものだ。

 そしてさっきも言った通り、衰退していき使われないまま残ってしまった幾つかの古い建物が北大通に大きく残っている。

 それでも再開発が進んでいるのか、釧路を盛り上げようという取り組みが活発になっているのか、新しい店が北大通に現れたり、使われていない建物を取り壊すような取り組みが行われている。


 ……それにしても暑い。高い建物が幾つかあり、日影があるとはいえ、車道を渡るタイミングでは少なからず日向に出てしまう。…まぁ日影にいても私が十数分でくたばりそうなほど暑さに弱いというのもあるのだが。

 川へと近づくほど、高い建物が増え、キャリーバッグを持ち運びながら移動する人も増え始めた。恐らく観光客だろう。釧路を見にきてくれる人が増えてきて、なんだか嬉しく感じる。そんな気持ちを巡らせながら橋の目の前にある交差点を渡って抜けると、幣舞橋の前に着いた。

 渡り始めてすぐに橋の途中にある銅像を観察しようと立ち止まっていたのだが、車通りが多かったのか、ほんの少しだけ橋が揺れた。  歩いている間は車通りが多くても揺れを感じないほどの小さな揺れなのだが、立ち止まっていると、車が通り過ぎる音と共に小さく揺れるので、くすぐったく感じたのだろうか。つい面白くなってしまい、四十秒程立ち止まり、その揺れを感じていると、小さく「フフッ」と声をあげて笑ってしまった。

 幣舞橋を渡る時は、海側の方を歩いていたので、一度海を向き、その景色を視界に捉える。今日は漁船が多く、何層もの白い船が、アスファルトの陸にもたれ掛かりながら遠くまで列を成し、ゆらゆらと水上に浮かびながら休んでいる。少し風が強いのか、幣舞橋の下あたりに視界を移すと、水面の水が波を打ち逆方向へ流れている。海が上流かのように釧路川の水がゆっくりと、陸の方向へ流れていく。

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