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北大通は、釧路で一番栄えていたといっても過言ではない場所だ。釧路は現在でも漁獲量が多い。その頃に合わせて港に近い駅と北大通が栄えていった。だが、釧路が衰退していくことで、閉まっていった建物が、取り壊されることなくその建物が残り続けている。
朝の10時に行動し始めたからなのか、まだ営業していない店舗の多くがシャッターを下ろしている。それに人通りも少ない。
北大通には様々な建物があるが、遠くを見渡しながら歩くと、高いものから低いものまで様々な建物が不格好に並べられている。その風景がだんだんと雑に置かれたドミノのように見えてきた。
歩いている途中、バスの待合所で面白い形をしているものを見つけた。これから向かう「幣舞橋」をイメージした白い橋を屋根に、鶴の絵が描かれたステンドグラスが貼られているものだ。他にも、鶴を模った青銅の像を柱のように立て掛け、待合所を作っているものだってある。それぞれの待合所が独自の形を作り、バスを待つ僅かな時間を癒してくれるようだ。
大きな交差点に着くと、道案内に使われる青い看板が信号と同じ高さに置かれている。その隣には、釧路の自然を伝えようと、様々な写真が大きく飾られていた。タンチョウ、エゾシカにシマフクロウといった動物から、釧路川、夕日といった自然の風景まで飾られている。青い看板とほとんど同じ大きさで何枚も飾られているので車に乗っているのならば視界の大半を占め、釧路の自然を見せつけてくれるだろう。 交差点の横断歩道を、車の邪魔にならないよう、足早に渡りさらに北大通りを進んでいく。
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