第二章:ゾンビの行進
涼の分析によれば、感染したIoT機器は、ネズミ算式に増殖していた。
1台の感染機器が、高速な非同期スキャンを行い、数秒で次の獲物を見つける。
瞬く間に10万台、50万台の「ゾンビ軍団」が出来上がった。
「C2サーバーの場所を特定した……。ここか」
涼は、攻撃命令を発信している黒幕のサーバーを見つけ出した。
しかし、相手もプロだ。サーバーは防弾ホスティング(犯罪者向けの頑丈なサーバー)上にあり、簡単に停止させることはできない。
その時、真由から連絡が入った。
『涼くん、新しい攻撃パターンが来た! 今度は特定のDNSサーバー(Dyn)を狙ってる!』
DNSサーバーは、インターネットの住所録だ。ここが倒れれば、URLを入力してもサイトに繋がらなくなる。
「住所録を燃やして、誰も家に帰れなくする気か……」
涼は決断した。
「真由、プロバイダー側で『Telnet(ポート23)』の通信を全遮断できるか?」
『えっ? でも、それをやると遠隔保守をしている正規のメンテナンス業者も締め出しちゃうわよ?』
「緊急措置だ。今は『入り口』を塞ぐしかない。これ以上、ゾンビを増やさないために」
『わかった。技術部長を説得する!』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます