エピローグ:平和な微生物
理論が完成した後、俺は気づいた。
この説は、すべての疑問を解く鍵であると同時に、俺の精神衛生を究極に保つ最強のチート能力だった。
優秀な同僚が目覚ましい成果を上げたとしても、もう劣等感は湧かない。
「ああ、あの人は**地球意識サーバーの最新パッチ(情報)**を、俺より早く受信できたのね」と、冷静に片付けられる。
失敗をしても、自分を責めない。
「今日は俺の受信機(脳)の調子が悪くて、ノイズが多かったな。薬を飲んで寝るか」
と、軽やかに受け流せる。
俺のすべての努力も、成功も、失敗も、**地球という巨大な宿主が安定して生きるために必要な、「微生物の体内の活動データ」**に過ぎない。
俺はパソコンの画面から顔を上げ、窓の外を見た。
通勤ラッシュに苛立つ人々の群れ。
誰もが自分の人生というシステム内で必死に動いている。
(ああ、皆、頑張っている微生物たちだ)
俺は心の中で微笑んだ。
誰かの物事としての理論に調子に乗ることもなく、誰かの才能に劣等感を持つこともない。
俺は、この地球意識という壮大な夢の中で、自分の役割を全うする、ただ一匹の穏やかな微生物に過ぎない。
この真実を知った俺は、誰よりも平和だ。
(完)
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すみません、眠る前に急に思いついてしまい…
いつかこの設定でガイアを擬人化した小説を書いてみたいな…
地球は生命体、俺は微生物。すべての学説と超常現象を「ガイアOSのエラー」で片付けたら、世界が平和に見えて精神的チートになった件 真嶋正人 @borntobewild241020
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