ショック、絶望、裏切り

「嘘吐き! 一緒に夢を叶えようって言ったじゃない! 嘘吐き!」


「もう俺達、終わりだよ……。あれにどうやって立ち向かえって言うんだ……」


「うそだ! あの人がそんなことするわけないもん。みんなの為だって言ってたもん。そんな悪いひとなわけないもん。全部うそだ! そんな、人を利用するような人じゃないもん! 『大変だけど、みんなの笑顔を見ると嬉しいんだ』って、そう言ってたもん。うそつき!」


母上ははうえ様ー!」


「ふえっへぇ〜ん、もう無理だよぉ、もう間に合わないよぉ! 僕らみんな仲良くここで死ぬんだああぁ〜!」


「そ、そんな……。今日、小テスト……?」


 初めて知った時、ショックだった。裏切られたと思った。一緒にここまでやってきて、頑張ってきて。仲間だと思ってたんだ。同じ志を持ってるって思ってたんだ。なのに……あの人は私利私欲の為に仲間を使い、裏で汚い仕事をしていた。

 嘘だと思いたかった、言いたかった。あの人を信じていたかった。仲間だと、そう笑い合っていたかった。


 否定したかった。あの人は黒じゃないと。でも、思い返せばそんな感じはあった。

 あの時、ふと思ったんだ。もしかして悪いことをしてるんじゃないか、って。でも僕の仕える人が、人を利用してる悪い奴だなんて思いたくなかった。だから見て見ぬふりをしたんだ。そして……今の今まで忘れてた。いいや、忘れていたかったのかもな。

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