iに触れて「愛」と「私」が混ざり合う

iというたった一文字に、
「愛」と「私」の両方を重ねて読める仕掛けが見事な詩でした。

本当の i を探している
その言葉は、愛の意味を追う旅であると同時に、

「自分は何者なのか」という心の奥をのぞき込む旅にもつながっているように感じた。

温め続けたものがガラクタの形をしていた場面は、愛の勘違いと、自己像の崩れの両方を思わせて胸に刺さりました。

また、愛と憎しみ、優しさと冷たさの境界が揺らいでしまう感覚が、とても人間らしくてリアルです。

終盤の一文の
「若さでは耐えられたけれど、今は愛がなければ耐えられない」
ここも愛として読んでも私として読んでも響き、この詩ならではの深さがありました。

愛と私が溶け合い、時に見分けがつかなくなる。その曖昧さごと抱きしめたような
静かに心に沁みる作品ですね。