いつもの週末

金時まめ

〜いつもの週末〜



       やっと週末が来たね 明日からおやすみだぁ

       今週は忙しかったーー



一週間 お疲れ様

もうすぐ “おやすみ“のはじまりだよ



       あら ほんとだ もうこんな時間なのね

       …… お互いにね 今週もお疲れ様でした




       わたし 今週末は家でゆっくりしたい気分かなぁ

       衣替えも途中だし 寒くなってきたからさ



いいんじゃない 三連休だし

のんびりいこうよ

僕も読みたい本があったから



       あ この前買った本?

       あれ 読んだら感想聞かせてよ



いいけど

きみは

『人の“メガネ”でものを見るのが嫌い』

…なんじゃなかったっけ?



       ……

       やーねぇ。それは『人のメガネ』だからでしょう?

       『あなたの感想』が 聞きたいんだって

       そんなの決まってるじゃない



……

えっと

コーヒー もう一杯 飲む?



       え? もう夜遅いから…

       こんな時間にカフェインなんて摂ったら

       寝られなくなるよ?

       …あ

       今の 照れたの?



…………



       ね 照れたんでしょう?

       はっきり そう言いなさい



うわっ

なに 急に



       いいじゃない

       夫婦なんだから

       後ろから抱きついたって



ま いいけど……



       けど?

       なーんか『許可』に感じて

       “喜び”を感じない


       はい やり直し



……

あ いえ

ぜひ 不意打ちで 後ろから

抱きしめていただきたいと

常日頃より 願っておりました



       よぉーし

       大正解で はなまるなお答え です!

       その大歓迎

       しかと 受け止めましたーー



ぐわっ

い 勢いつけてこないの!



       おぬし 脇が甘いのう



家でくらい 後ろからの防御は解くでしょ



       わたしがスナイパーだったらどうするの?

       ゴルゴ13みたいに



スナイパーにしては

距離が近過ぎない?



       あ そっか

       うーんと

       じゃ 必殺仕事人のかんざしの人!



…… 古すぎない?



       え そっか …

       じゃ  ゴ ゴールデンカムイの 蝮のお銀!!



…… ぼく

どっちにしても殺されちゃうわけ?



       …やだ うそうそ

       ずぅっと生きてて欲しい

       そんで こうやって

       いっつも ずっと抱きしめていたい

       あなたの甘い脇はわたしが守る 



そりゃどうも

頼もしいったら ないね



       でしょう?

       あなたって しあわせな人ね



そうだね

きみがいるから

ぼくはしあわせものだね



       あら

       ……ずいぶん素直で

       なんだかこわいわね



……

ねぇ

いつまで そうやって くっついてるの?



       あ あなたの磁力が強すぎて

       くっついて離れないの

       どうしようぅぅ



はいはい

ほら 冗談言ってないで

もう離れなさいな

寝る準備するよ?



       はぁーい






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