小学校の12時
朝倉 澄真
第1話 放課後の教室
今でもあれは何だったんだろうと思う話がある。
普段の記憶はぼやけているのに、あれだけは一枚の写真みたいに残っている。
その頃、放課後の教室では、よく女の子たちがあちこちで「コックリさん」をしていた。
白い紙に五十音と、小さな神社のマーク。
その上に10円玉を置いて、みんなで指を乗せる遊びだ。
なにやらひそひそ話をしながら、でもどこか緊張した空気で、
ときどき「動いた!」「きゃー!」なんて声があがる。
俺はその輪に入らず、少し離れた場所から、教室のざわめきを眺めているだけだった。
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