第4話ありがとうございます

『タッチ、、、お兄さんの番ですね』


少女はそう言い急に駆け出した。

(は?急に始まった鬼ごっこ、、やっぱ年相応だったか)

とりあえず軽く鬼を返してから今日は帰ろうとブランコから飛び出ようと思った裏腹に急にブランコが動き出す。

(しまった、飛び出ようとし過ぎて逆にバランス崩すのはダサいって)


もうこのままブランコの柵を飛んで越えてから追いかけてあげるかと思ったが、、、、手が鎖から離れない。

それどころか止めようと反発する力を込めるたびに

ブランコは勢いを増していく。


訳もわからず少しパニックになってきてる僕に対し、10メートルもないくらいの距離で足を止めた彼女は花開くような満面の笑みでこう言った。


「ありがとうございます。やっと夜を自宅でゆっくり過ごせるようになりました。」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る