第3話領域

こんにちは。いや、こんばんは。僕である。


ダイエットは順調に進んでいるよ、停滞期を乗り越えてまた少しモチベーションが上がった今日は少し、いや、ほんとに少しだけ筋トレをしてからランニングに出ることにする。



最近は体力も上り住宅周り+公園の外周ってコースもお手のもの。一周する時間も心なしか短くなってきた気がする。


最初は不穏がっていた公園の少女も、もはや見慣れた光景と化しもうコースの風景といっても過言ではない。


だがしかし、忘れていたことがある。

人生でそこそこ重要な教訓だと思ってる事だ。

『慣れ始めの油断こそしてはならない』


なぜ急にそんな事を言い出すのかと言えば今現在がそんな言葉を思い出すような状況下にあるからだ。


いつもの公園、少女の漕いでいるブランコをフェンス越しに走り去ろうとした時、ふと声が聞こえ足を止める。


【ギィッ、、ザザーッ、、『あの、すいません』】


(え、、、僕のこと、、だよな?)

驚きつつも極めて冷静を心がけ対話に応じることにした。

「ん?なに?」

『いつも、この辺を走ってる人ですよね?』

「あぁ、そうだけど」

『この辺がお住まいなんですか?』

「地元ってか近所みたいなものかな」

『そう、、なんですね』

「うん」

『ところで、この場所は好きですか?』

「慣れ親しんではいるけど好きかって言われると微妙かな」

『そうですか、わたしはココは嫌いです。早くどっか遠くへ行きたい』


(連日?ブランコ乗りに来てるのに変な事いうんだな、やっぱ訳ありなのかな)


「そうなんだね、卒業したら地元離れるってよくある事だし好きなとこ住めるよ」

『そうではなく、、いえ、こちらに来てもう少しだけ話し相手になってくれませんか?』


そう言って彼女は自分の隣の空きブランコを指差す。

頻繁に見かけてはいただけに妙な親近感を得ていた僕は公園に入り彼女の指差すブランコに向け歩き

枠の中に入る一瞬〝ズキンッ〟と頭痛がしたが走った疲労によるものと思い彼女の隣のブランコに座る。




ふと、彼女の白い手が僕の肩に触れ

『タッチ、、次はお兄さんの番ですね』

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