第12話 旅の始まり

「出発するのか?」


 ミネロー公爵は娘のアルヒミストカに尋ねる。


「えぇ…出発しますわ。」


「気を付けるのよ。」


「私もいるんで安心してください!」


「クルース、アルを任せたぞ!」


「はい!任されました!」


 私はミネロー公爵の期待に応えなくては…


「クルースと…ついでにお姉ちゃん行ってらっしゃい!」



 カルピスは元気に私達を送り出す。


「お姉ちゃんはついでなの!?」


 アルヒミストカは何か言いたいことがあるようだが…


「必ず戻ってきます!」


 私はそう言って、馬車に乗りキャビンに座る。


「アルも!早く!」


 アルヒミストカも、私の隣に座り手綱を握る。


「いけ!マルクス!(馬の名前)」


 アルヒミストカが馬にムチを打ち、馬車を走らせる。

 緑色の馬車は、森に溶け込み姿を消すのであった…


 そして…領地と領地の干渉地帯に入ったころクルースはアルヒミストカに尋ねる。


「この国の名前ってなんでしたっけ?」


「え?言って無かったっけ?」


「私が、教えて貰ったのは領地の名前と、帝都の名前だけですよ。」


「あぁ…そうだったわね。」


 アルヒミストカは納得し、クルースに国の名前を教える。


「ここは、マルコム帝国よ。資本と福祉を国民に平等に与える事で成り立っているわ。」


「なるほど…」


 その時、高速の物体がクルースの左横を通過する。


「!?」


「な…なに!?」


 -------ドスッ-------


 引くい音をたて、馬車に突き刺さる。


「矢です!」


「なんですって!?」


「山賊です!?」


 後を確認すると、馬に乗り鎧をきて弓や剣を持った集団が確認できる。

 顔を隠し、旗などは掲げていないため山賊で間違い無いだろう。


「ヒャッハー!」


「あるもん置いて行けやー!」


 などと叫び、矢をバンバン馬車に放つ。


「うわぁん!」


「トニカク、馬車を走らせてください!」


 私はそう言って後の客席部分に移動し窓を開けある物を用意する。


 -------ガチャ!ガシャッ…ジャキッ!-------


「ちょ!クルースそれは何!?」


九六式二十五粍機銃きゅうろくしきにじゅうごミリきじゅうですよ!」


「なるほど…?」


「輸送機に積んでいたやつです!」


その間にも、山賊はどんどん接近する。


「へっへっへ!」


「3カ月ぶりの獲物だぜ!」


山賊達は近づき、クルースとアルヒミストカを目視する。


「黒髪の方はスタイルはいいけど髪はまぁまぁだな。」


「グハハ!白髪の方は顔はいいが、胸がまぁまぁだな。」


その会話は、クルースを本気にさせる。


-------ガシャッ!-------


クルースは巨大なレーバーを引き薬室に25×163 mm実包を装填する。


「クルース!盗賊達をやっちゃって!」


「了解!」


クルースは盗賊に向けて引き金を引くのだった…

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大東亜軍神の異世界転生! アーシア・スプリッグ @AK74

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