第11話緑の馬車

「そう言ばクルース」


「はい?なんですか?」


クルースは落ち着いた返事をアルヒミストカに返す。


「旅のゴールは決まっているのよね?」


「はい!決まってますよ。まぁ、旅と言うより旅行ですね。」


「なるほど…で、目的地は?」


「この国の王都らしいですよ。」


「なるほど…帝都ロイヤルオークね…」


どうやら、この国の首都は帝都ロイヤルオークと言う名前らしい。


「帝都って言った方がいいんですかね?」


「さぁ?私は帝都って言ってるけど…」


「なるほど…呼び方は自由なんですね。」


「そうね。呼び方は自由だと思うわ。」


なるほど…では、私も帝都と呼ぶ事にしよう帝都と言う呼び方は馴染み深いからな。


「そう言えば、何で旅をするのかしら?」


「ペプシ様に尋ねた所、馬小屋の隅で埃を被っている、馬車を使っていいと言っていましたよ。」


※ペプシ様はアルヒミストカの母


「クルース、勿論貴方も付いてくるのよね?」


「ちゃんと付いて行きますよ!私は貴方の護衛ですからね。」


「なら良かっわ…あと、話の変えるけど、その…馬小屋の隅にある馬車って結構ボロボロだった気がしたんだけど…」


「大丈夫ですよ!カルピスと一緒に修理&改造しましたから!」


「ホント?見ていい?」


「勿論!」


クルースは修理&改造した馬車の元へアルヒミストカを案内する。


「お〜緑色になってる…」


「迷彩塗装です!車輪の部分は輸送機のタイヤを再利用して作り、座る部分はクッションを付け、艦載機銃も取り付けれる様にしました!」


「なるほど…、トニカク凄い改造したのね。」


「はい!」


アルヒミストカは喜んでくれたようだ。


「アル、試し乗りしてみますか?」


「乗る乗る!」


待機していた、ミネロー公爵軍兵士が馬を連れてくる。

その馬を馬車にくくりつける。


「おぉ。マルクスじゃないの!」


「マルクス?」


「私の馬よ、最近はほぼ乗って無かったけど…」


どうやらこの馬はマルクスと言う名で、アルヒミストカの馬らしい

しかし…私は重要な事を忘れていた。


「あの…アル…一ついいでしょうか?」


「なに?クルース?」


「そう言えば私、馬車運転出来ないんですよね…」


「はぁ?」


数分後…


「まさか…ね…試し乗りの運転を私自身がやる事になるとは…」


「す…すいません」


ホントに申し訳無い。


「まぁ…別に責めてるわけじゃないわ、出来ない事は誰にでもあるものね。コレからゆっくり覚えていけばいいわ。」


「旅の馬車運転は、アルに全て任せる事になりそうですね…」


「ちゃんと護衛はしてね!」


「勿論ですよ!」


静かな沈黙が訪れる…


「出発日はいつなの?クルース。」


「馬車は完成したので、準備の時間を考えて…3日後ですね!」


「3日後ね…」


クルースとアルヒミストカの旅の準備は整いつつあった…

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