第15話「師」
無事に3回戦へコマを進めるタクト。
ふと安堵した時、校内放送が鳴り響く。
「次の試合はシゲオ…」
「あ、シゲオ先輩!次の試合かぁ…!」
「ハルキ知ってるのか?」
「あぁ…!もちろんだよ!相手は…?」
「対タイラ。」
「タイラってまさか…!?」
「シゲオ先輩っ…!!」
生徒会副会長タイラ。
初陣。
「なぁ、ハルキ。シゲオ先輩ってどんな方なんだ?」
「シゲオ先輩は、俺にメモリーファイトを教えてくれた…師匠だ…。」
3年のシゲオ。
ハルキにメモリーファイトを伝授した、いわば師匠である。
2回戦で対する相手に不安と焦燥を抱くハルキ。
「負けないでくださいよ…。」
そう口にした瞬間…。
「いやぁ次は俺の番かぁ。場所は、って食堂かいな!1階まで降りなあかんやんけ!」
その声に2人は振り向いた。
「あ!君らよく会うなぁ!さっきも勝ったみたいやなぁ!あの2年のザコに。」
「ザコ…?」
戦ったタクトは戦慄した。
決して弱くは無い実力とレクエルド候補だったツトムを雑魚呼ばわりした事を…。
「まぁ次の相手も同じようなもんかぁ。確か、えーとシゲオ?やったかな。何組か知らんけどぉ!」
煽るような発言に頭に血が登ったハルキ。
「シゲオ先輩は絶対に負けませんよ!」
「へぇ〜。君ええやんか。ええ根性してるやん。」
凍てつくような瞳でハルキを見下ろす。
「ま!ええわ!サクッと終わらしてプリンでも食べよっかなぁ。食堂やし。」
タイラは上機嫌で階段を降りていった。
2人も追い掛けるように向かう。
食堂、そして生徒会副会長の初陣という事もあり観客も多数。
「俺は絶対優勝してみせる!」
「威勢がいいなぁ〜。でもせいぜい頑張ってくれんと肩慣らしにもならんわ。」
挑発というより本音。
タイラの心境は退屈そのものだった。
「舐めやがって…。まぁいい。行くぜ!」
「記憶の扉!開け!」
「さぁほな行きましょかぁ。」
淡々とゲームを進めるタイラ。
その攻撃とは…。
 ̄たこ焼き作るのめっちゃ褒められる
「じゅ、10ポイント!」
驚きのあまり、場内は笑いに包まれた。
「な、何だそれ!!」
「10ポイントだって!弱すぎだろ!!」
「あちゃあ!!こりゃやってもうたわ〜!!」
「ははっ!なんだ副会長の実力はそんなもんか!」
勢いよくカードを掲げた。
「行くぜ!」
 ̄地元のカードバトル大会小学生の部で準優勝した!
「…ミス!」
続く
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