第11話「残酷」
刹那…
戦いの決着は非常で残酷。
「5000ポイント…!」
静寂の舞台にジャッジマンの掛け声だけが聞こえる。
「勝者、レクエルドサトル!」
観客は理解が追いつかないまま現実世界へと引き戻された。
マサノブも同様に。
「な、何が起きたんだ…!?お、俺は…負けたのか…?」
手の震えが止まらないマサノブ。
地に這いつくばりながら必死に立ち上がろうとするが恐怖のあまり、膝から崩れ落ちる。
そしてサトルはマサノブの前に現れた。
「マサノブ…お前のパワーは確かに凄い。だがな、肩パンのような恐怖の力や、ホームランを打ったなど、一回限りの思い出など何の力にもならない…。」
「キャ、キャプテン…。」
「これからも1、2年を引っ張れよ。正しい力の使い方でな。」
「あ、ありがとうございます…!」
悔し涙から感謝の涙へと変わっていったマサノブ。
第2回戦第1試合、勝者サトル。
底の見えない実力と優しさに皆は感動した。
「かっけぇな…。」
ハルキも胸を打たれる。
しかし、タクトは勘づいていた。
「力と力…サトル先輩の力を見せつけるために敢えてマサノブ先輩をぶつけたんじゃないかな…?」
「それってつまり…対戦相手を仕組んでいたってことか…?」
「だってベンチプレスって…。」
その時、2人の後ろから長身の男が現れた。
「お前ら1年やなぁ?」
「あなたは…もしかして…!」
「1年があんま調子こいとんちゃうぞ…。変な勘繰りは自分苦しめるだけやでぇ…。」
冷たい冷気のようなオーラに背筋が凍るタクト。
「まぁ、また俺らと肩並べれるようになったら色々教えたるさかい、頑張りやぁ〜。」
男は去っていった。
「おい、タクト…。さっきのあの人ってもしかして…。」
「あぁ、生徒会副会長のタイラ先輩だ…。」
10人のレクエルド。
生徒会。
そして、ジャイアントキリングを成し遂げたタクト。
第2回戦はまだ始まったばかり。
続く
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