俺の後輩が可愛すぎる話

蕎麦ボーロ

第1話 後輩が可愛すぎる件

俺こと小鳥遊冬真たかなしとうまには悩みがある。

それは他の人からしたら贅沢すぎる悩みかもしれない。中には羨ましいと言う人もいるだろう。しかし、俺は本気で悩んでいるのだ。それは――――


「あ!せんぱい!!えへへ、おはようございます〜」


「あ、あぁおはよう。陽菜」



そう、後輩が可愛すぎることだ。




俺の後輩である葉月陽菜はづきひなは校内でもぶっちぎりでモテる。なんせ容姿端麗で、人柄もよく、成績優秀、運動神経も抜群という弱点なしの完璧超人だからな

そんな陽菜に俺は何故かめちゃくちゃ懐かれている。話すようになったきっかけはただ委員会が同じになっただけだ。それなのに昼ご飯を一緒に食べようとしてきたり、一緒に帰ろうとしてきたりする。他の奴らにもこんな感じなのかと思ったがそんなことはないようだった。つまり、俺はこんなにかわいい後輩に特別懐かれているのだ。え?これのどこが悩みなのかだって?はっはっは、考えてみてくれよ。こんなにかわいい子に懐かれてるんだぜ?周りからの嫉妬がエグいに決まってんだろぉ!!!!!いつ後ろから刺されるかわからない状況を悩まないわけがないだろう。でも、陽菜を傷つけるわけにはいかない。だからこそ悩んでいるのだ。

何処かの誰かに説明するようなことを脳内で考えていると、陽菜に声をかけられる。


「先輩?大丈夫ですか?体調悪いですか?」

「え?いや、そんなことないよ。ただ考え事してて」

「考え事ですか....陽菜にできることがあればなんでも言ってくださいね?」


そう言いながら陽菜は上目遣い気味に首をかしげる。

うん。可愛すぎんだろ!!!!

あまりの陽菜の可愛さに悩みが吹っ飛んでいく。


「あ、ありがとう陽菜。なにかあったら頼らせてもらうよ」

「はい!任せてください!!」


えへへと笑いながら陽菜が俺の学ランの袖をちょいとつまんでくる。

反則だろこれ。可愛いがすぎるんだが。


「ど、どうしたよ急に」

「もうすぐ学校ついちゃうのでそれまでにちょっとでも多く充電したくて」

「充電?」

「はい!先輩パワーで私のやる気を充電です!!」


俺にそんな力はないだろ....むしろこっちが充電してる気がする。

それから他愛ない会話をしながら歩いているとすぐに学校についた。


「あぁ、もうついちゃいました....もうちょっと先輩といたかったなぁ」


なんでこの子はいちいちこんなに可愛いのだろうか。俺の心臓そろそろもちませんよ?


「ま、まぁ休み時間とか放課後には会えるだろ?」


俺がそう言うと陽菜はパッとこちらを向き目を輝かせる。


「じゃあ今日もお昼ごはん一緒にたべたり一緒に帰ったりしてくれるんですか!?」

「陽菜が嫌じゃなければだけどね。それにほぼ毎回誘われるわけだし?今日も誘ってくるつもりだったんでしょ?」


そう、さっきも言ったが陽菜はほぼ毎日俺のところへ来る。だからこれに関しては慣れてしまったのだ。


「えへへ、バレてましたか。じゃあまたあとでです!!」

「あぁ、また後でな」


俺に手を振った後嬉しそうに自分の教室に向かう陽菜を見送ってから俺も自分の教室に向ったのだった。




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