スケルトンに転生したけど家族のために人間目指します!
珊瑚狂魚
プロローグ㊤
「うう・・今日もこれだけか・・」
そう呟き肩を落とす青年は
その手に握っているのは魔石と呼ばれるもの
30年前突如として世界中にダンジョンが出現し人々は目を輝かせて我先にと突入した。
ほとんどの人間が二度と帰ってこなかったが・・
とある者は黄金の宝を手にしまたとある者は超常的な力を手にした
それに魅了された世界中の人間は次々とダンジョンに押しかけ、後手に対応してしまった各国政府はその膨大な熱量を抑えることは出来なかった。
一部の国を除いては・・・
日本政府は不断の努力で混乱を沈め一般の人でもダンジョンに入場できる制度を作り上げ半ば無法地帯となっていた地域を制圧する。
これが成功した要因としては早くからダンジョンの一般開放を公言しており
無法地帯となっていた場所には後に探索者と呼ばれる超常の力を手にした者達と軍が連携することにより他の探索者を無力化した。
この行動を見た各国政府は同じように統制し迷宮事変と呼ばれる大事件は収束することとなる。
ダンジョンからもたらされるのは宝や力だけではなく
環境に害を与えない発電方法や動力機関、化学では作ることが不可能な金属などの新素材はたまた食料など
ダンジョンがあればすべてが揃うなど言われるほどの資源を得られる。
今はまさに大ダンジョン時代世界は探索者を求めている!
そんな世界で最も利用されているのが青年が手にしている魔石
発電に欠かせない、肥料として使ったって良いと万能な素材だがダンジョンに出てくるモンスターと呼ばれる敵対生物を倒さなければ得られない。
苦労して手に入れたはいいものの青年が手に入れられるレベルの魔石はゴロゴロと存在している。
決して安いわけでは無いのだがいかんせん数が少ない
「1階層魔石3つで1500円となります。現金でお受け取りになりますか?」
「・・現金でお願いします」
ぐぅ・・・大体2時間かけて1500円しかも命の危険あり。
こんなの割にあわないよ~
なぜかダンジョン専門高校(通称ダン専)を異様に押してくる先生がいたからダンジョンで頑張っていこうと思ってたけど
全然話とちがーーう!
短い時間で家族を養うぐらい稼ぐんだったら探索者になるしかないって言ってたのに・・全く稼げないじゃないか!
これならバイト休まずに出てた方が良かったよぅ
周防家はシングルマザーの家庭、本来なら高校も行かずに働いて稼ごうと思ってたのにどうしよ
糞な親父が残した借金を返さないといけないし来年から妹の
智美にはボクみたいな思いはしてほしくないんだ
部活に入れず友達の少ないつまらない中学生活を送ってほしくないのに、このままじゃボクと同じ目に・・・・ゥㇷ゚ッ
ああトラウマが
ともかく何とかバイト以上に稼げるように頑張らなきゃ!
どうせ入学することは決まってるし先生から武器と入学に必要なお金も借りちゃったからとにかくやるしかない!
やれる事からやろう!まずは神様にお願いだ!
「たしかこの辺りだった気がするんだけどー・・・」
今探しているのは昔ボクが見つけた小さな神社、小さいときは毎日来て遊んでいたけど中学に入りバイトも始めてからは忙しくて来る暇が無かった
「あったーー!」
ようやく見つけた、町から抜け山道から外れた道を行くと寂れているがどこか神々しさを感じる小さな神社。
「前より汚くなっちゃてるなー」
持ってきていたタオルと水で申し訳程度の掃除をする
「ダンジョンで稼げるように強くなれますように!」
気分も晴れたので帰ろうとすると神社の鳥居の中に妙な異物があるのを発見した
「あれって・・ダンジョンゲート?」
白く染まった陽炎が揺らめきながら佇んでいる
それは異界であるダンジョンと現世を繋ぐゲート
「さっき来たときは無かったよね?」
っていうことは生まれたばかり?できたばかりのダンジョンってたしか攻略が簡単だったはず・・
もしかして今のボクでもクリアできちゃう?
でもこういうのってまず警察に通報しろって学校でも言われてたし・・・
ダンジョンって攻略すると特別な報酬が貰えたような、それが貰えたらダン専の学費免除や探索者になった時いい武器になる・・
ゴクリ・・・
倫理観と明るい未来を天秤に掛け周防弥助は決断した
「良し!行こう!」
先生に貰った小剣と盾を装備し異界に足を踏み入れる
青年が入った瞬間ダンジョンゲートは黒く染まり消滅した。
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