婚約破棄されたので自由気ままに生きていこうと思ったら、隣国の王太子殿下にプロポーズされました。

涼風あおい

まさかのプロポーズ

第1話 婚約破棄

「ただいまを持って、シャーロット公爵令嬢との婚約を破棄する。そして、ソノワー伯爵令嬢との婚約を宣言する。」

 今日は私の誕生日パーティーである。そんな中での王太子の発言、発表にこの場にいた全員が驚く。

「王妃教育の破棄と私の業務を奪い、名誉を傷つけたことによる婚約破棄だ。」

 全く、国王は何を考えているのか。王太子以外、王宮勤めをしているものならば知っていたはずだ。私が奪ったのではなく、彼が押しつけていたことを。そのせいで王妃教育を破棄せざるを得なかったのとを。しかし、言ったことで何かが変わるわけではない。どうせいいわけだ!!といってどんどん貶めていくに違いない。

 国王は、ニヤニヤしながら、

「というわけで、シャーロット公爵令嬢との婚約は破棄させてもらう。」

 この場にいる全員が父と私を見ている。

「どうだ。悲しいか。しかし、これがお前がしてきたことの報いだ。しっかりと反省するーーー」

 王太子が言い終える前に、

「いえ、悲しくなどありません。いうならば、解放感に浸っております。やっと本来ならば王太子様がやるべきだった仕事を私がしなくてよろしくなるんですね。これほどの開放がありますでしょうか。そうですね最後に言い残すことがあるならば、補佐官の方々に伝えておいてください。これから、わたくしがいなくなっても業務、頑張ってくださいと。あぁ、遅れれば補佐官が怒られるのに。早くしてとも言えない補佐官様たちはとてもかわいそうです。」

「貴様、無礼だぞ。これだから妃教育を受けていない者はーーー」

「あら、誰のせいだと思いで?貴方様の仕事が遅すぎて、業務が回らない。と泣きついてきた補佐官様のために私妃教育を、やめていたのですけれど?」

 どんどん顔を青くしていく王太子に、

「それでは、婚約破棄されたので、わたくしがここにいる意味も、このパーティーがある意味も…ないですね。今日は解散いたしましょう。それでは皆様御機嫌よう。」

 そういって帰ろうとドアのほうへ向かった。

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