第1話 M字ハゲがお似合いだ!

朝学校に行くと、友達に馬鹿にされた。

「お前まじきしょいんだよ。特に髪型がな!お前みたいな奴はM字ハゲで充分だよ!」

むかついた長髪の俺はついつい挑発に乗ってしまった。


「あぁ、やってやらぁ。お前らの望んでるM字ハゲだぞ!」

俺はそう言って自分の髪をM字ハゲにした。そう、この俺は自分で言うのもなんだが、メンタルがかなり強い


「ははははは!ロン毛のM字ハゲとか世界初じゃね?w長髪のM字ハゲでギネスに載るんじゃねえのw」


「満足しただろ!もう戻すからな。」


「ちょっと待って。」

そう言って一人が俺の元に駆け寄ってくる。やばい。そう気づいた時にはもう遅かった。そいつは俺の髪にヘアスプレーをかけた。髪が固まった。


「ヘアスプレーだからすぐほぐれるようになるって」


「あ、あれ?髪が戻らないんだけど」

時間が経っても全くほぐれそうにない。


「これ、なんか山奥の何もないところの店で買ったんだよな...怪しいとは思っていたけどまさかな...」


ほぐれない焦りと絶望感が一気に押し寄せてきて、流石のメンタルの俺もどんどん涙目になっていく。あいつらは俺が泣きそうになっていくのを見て、流石にやばいと理解して逃げて行った。


「やべぇ、こんなところで泣かれたら、俺たちたまったもんじゃねぇ。逃げるぞお前ら!」


そうだ!風呂だ!風呂に入ればほぐれるはず!そうと決まれば家まで直行だ____



家に帰ると、真っ先に母親が気づいて驚いた。何だか笑いを堪えているようにも見える。

俺は馬鹿にされているのか?

「風呂入ってくる」

短くそう言って風呂に入っていった__



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