後輩のウザ絡み女子に振り回された江の島2回目デート ―乙女のカホと暴虐のカホ―
のら坊
第0話(プロローグ):次のデートの強制約束
今日の朝、カホはソウヤの教室に現れなかった。
昨日のデートの余韻に浸っているのだろう。
…と思ったら、甘かった!
昼休み。昼食を終えてまったりしようと思ったその時――
まるで計ったようにカホが教室へ入ってきて、
「セ~ンパイ!」
とソウヤを呼んだ。
「センパイ、昨日のデート楽しかったとか、そういうメッセージ待ってたんですけど。ちっとも来ないんですけど!」
「ごめん、スマホ壊れてるんだよね」
「だったら私の教室まで言いに来てくれればいいじゃないですか」
(そんなことできるのはカホだけだよ…)
「カホのガラスのような繊細なハートはズタズタです。」
(どこがガラスのハートだよ。鋼の心臓の間違いだろう…)
「センパイは乙女心っていうのが、ちっともわからないんですね。」
(カホに乙女心があるかどうか疑問だが、女子の気持ちがわからないというのは… 確かに、今までよく言われた… そこは、心が痛い… )
いろいろ絡んでくるかと思ったが、黙っていたのが功を奏したかカホはそれ以上は追撃してこなかった。
追撃をやめて、カホはストレートに聞いてきた。
「センパイ、今度の日曜、空いてます?」
「まあ、空いてるけど」
「じゃあ、10時に片瀬江ノ島駅!どこで待ち合わせします?」
10時と片瀬江ノ島行きは、すでに決定しているようだった。
言い返すと面倒になりそうなので、ソウヤは答えた。
「改札出たところでいいんじゃない?」
「センパイ、女子を待たせないでくださいね。」
「それと――サプライズ、楽しみにしててください!」
そう言い残すと、カホは
「センパイとデート♪」
「センパイとデート♪」
と口ずさみながらササッと教室を出て行った。
(気づけばまたデートの約束をしていた。…まあ、カホ相手じゃ抵抗しても無駄か)
ソウヤは波に漂うクラゲのようにそのまま流されることにした
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