終章:背負子が空になる時
『見習い
君が真の喜びを知るのは、その時だ。
狩りに出る日の出前、君の『
そして、長く過酷な狩りを終え、夕陽が翠点の壁を赤く染める頃、君は帰還する。
その時、君の『背負子』は、驚くほど『
包帯は仲間を癒すために使い果たされ、弾薬は敵を退けるために撃ち尽くされ、最後の食料は負傷した仲間に分け与えた後だ。
その『空っぽの背負子』こそ、君が全ての責務を果たし切った、何物にも代えがたい『黄金の勲章』である。
そして君は、自分の背負子が『空』になった代わりに、君の隣を歩く仲間たちの収穫袋が、翠点を豊かにする『獲物』や『素材』で満たされているのを見るだろう。
何より、君は自分の隣を歩く仲間たちが、誰一人欠けていないのを見るだろう。
背負子が『空』になること。
仲間が『無事』であること。
それこそが、我ら歩荷の、たった一つの、そして最大の『報酬』であり、『誇り』である。
さあ、『
誇り高き、我らが同胞よ。
君が背負うのは、ただの『荷物』ではない。
『仲間の命』と、彼らが待つ『オアシスの明日』だ。
ようこそ、『
『歩荷のすゝめ ~背負うは【命】、届けるは【明日】~』 火之元 ノヒト @tata369
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