戦争が終わっても心の中では地獄が続く――その苦しみが鋭く胸に迫る、圧倒的な筆致でした。仲間の死、自責、罪悪感、そして“英雄”という皮肉な称号。生き残ることの痛みを真正面から描き切った重厚な作品で、読後に深い余韻が残りました。重いテーマなのに目が離せない、作者さんの力量を感じる一作です。