第二章:設計された欲望

エコノミック・スーパー・ヒーロー ― ポルノ的男性像 ―

いろんなヤツが囁くんだ

「彼みたいになりたいだろ?」



どんな女でも 自由に勃って

セックスできて

射精タイミングも理想的


中折れなんて あり得ない




いろんなヤツが囁くんだ

「彼みたいになりたいだろ?」



彼が口説けば女は濡れる

雑な愛撫で喘ぎ乱れる

嫌がってるのも ただの演技


本心では蕩けてる




いろんなヤツが囁くんだ

「今の君じゃ話にならない」



エステに行かなきゃ

脱毛しなきゃ

ブランド品で 着飾らなきゃ


仮性包茎? あり得ない




いろんなヤツが囁くんだ

「彼みたいになりたいだろ?」



足りない 足りない

足りない 足りない


今の君じゃ 全然足りない




いろんなヤツが囁くんだ

「彼みたいになりたいだろ?」


だけど僕は思うんだ


そんなヤツァ いないって




【解説】

ポルノ的男性像とは、経済を回すのに都合の良い偶像です。

彼に憧れて、「自分は足りてない」と思ってもらえれば大成功。

上質なお客様のできあがり。


だけど、そんな幻想に付きあう必要があるのでしょうか?

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