第2話 ナシノ
私は今…喪服を着てゴロとおもちを連れてお葬式の列にならんでいる。そんな今日は…オーナーのお葬式。こんな日がくることがわかっていて覚悟はしていたけど、やはり耐えられない。私だけではなく、この2人もそうなのだろう。いくらか暗く沈んでいるように見える。母親のお葬式なのだから当然なのだろう。なんて声をかけたらいいのか、悩んでしまう。
そんなことを考えながら、周りを見渡す、常連さんたち施設の人たちしか見当たらない。親族の方々は?さすがに相続権廃除されたとしても来るよね(怒)なんて人たちなのだろう?
弁護士さんが居たので思わず聞いてしまった。どうやらオーナーの要望とのことだった。
お燗の蓋が閉まる前にお願いをして2人をオーナーの顔の隣におかせてもらった…何分か経ってお礼を言って出した。やはり泣いているかのようだった。お見送りの時間葬儀場のはからいでカフェの近くを通ってくれることになった。そこには常連さんたちが推したちを持ってオーナーとの最後を見送った。
突然の知らせが、樹ちゃんからもたされた。私はオーナーへの写真ハガキ作成中だった。樹ちゃんの泣いていたであろう顔を見て、予測はついた。
「オーナーが危ないから来て」と…偶然定休日だったのでおもちとゴロを連れてオーナーの入院している病院へ向かう。樹ちゃんが受付の所で待ってくれていたので案内してもらい急いで病室へそこには青白い顔をしたオーナーがいた。おもちとゴロを手に持たせたら、目をあけて2人を見つめて『ありがとう。あとは頼みましたよ。』と言って眠るように旦那さんの所に旅立って行った。その顔はとても幸せそうな笑顔で…間に合ってよかった。カフェやこの子たちのことは任せてね。と伝えお別れをした。
お葬式の後、喪中になりながらもカフェは営業していた。オーナーからの意思が伝えられたため、ぬいぐるみたちは母のはからいで暗めの服でお客さんを出迎える。そしてカフェにはオーナーの笑顔の写真が飾られた。来てくれた人たちは手を合わせてくれた。皆でオーナーの話しで盛り上がる。オーナーがたくさんの人たちに愛されていたことがわかった。こんな暗い日は今日で終わり、明日からはいつものヤル気のないカフェに戻る。
とても素晴らしい人たち、皆に愛されているオーナーのカフェを継ぐことが出来てとても幸せ。これからもオーナーに負けないカフェにします!誓いながら、営業を終わりにした。
次の日から1ヶ月ごとオーナー写真の隣には1人ずつぬいぐるみを置くことにした。今日から1ヶ月はおもちだ。もちろんおもちと話したい時は席に連れていけるようにオーナー写真はゴロケースの隣に置かせてもらっている。今日もゆっくりと静かないつものカフェの時間が流れていく。
何ヵ月が過ぎてオーナーへの悲しみが癒えてきた頃カフェに1人の男性がすごい勢いで入って来た。オーナーの訃報を聞いて駆けつけたという男性はおもちを持ちゴロというよりオーナーの写真へと向かっていた。手を合わせ何か話していた。そして『突然すみませんでした』と、涙を溜めながら、おもちを戻し、去っていく。そんな彼と入れ違いに入って来た樹ちゃんが彼を見て
「あれ?今のってなおくんじゃない?」と言っていたが私には???誰?状態だったけど、そんなことはおかまいなく話しを続ける
「見た目がだいぶ違うけど、あれは絶対そうだよ」だから、誰なの?って顔をしてボーと見ていたら、樹ちゃんがあれ?知らなかったの?というような顔で話してくれた。なおくんというのはオーナーの孫だという…オーナーの家に来た頃は荒れていてグレまくりの子だったという、髪の毛も真っ茶でこれぞヤンキーという出で立ちだったという。ネグレクトを受けていたみたいでオーナーは自分の性で孫が大変な目にあってしまったと嘆いていたけど、カフェやぬいぐるみたちと関わってきたら、変わっていってカフェの手伝いをしていたけど、ある日を境にカフェで見なくなったという。理由は教えてもらえなかったらしい。超頭がいいらしい。『オーナーは更生させる天才。さすがです。』と写真に言った。
それにしても訃報を今頃知るとは…複雑な家庭事情がありそう。孫は優秀になったのに子供たちはなぜあんな子に育ったのだろうか?
営業終了後、2階の自室でオーナーの遺品を見ていた。なおくんについて何かわかればと思っていけないこととは知りながらも探してしまう。一緒に暮らしていた時、オーナーから家族について話しを聞いたことがなかったことに気付いた。というより聞ける雰囲気ではなかったと思う…私の家族の話しはしたのに...オーナーから実家から通うには大変だし少し介護をしてもらえると助かるからと言われたからだ。それにこれから住むのだから今から慣れておけば楽との提案もあったので、実際オーナーは1人でなんでもこなせる、介護というのは口実なのだろうとわかった。遺品と言うのはオーナーの荷物のこと捨てに行くことはできないとのことなので私がやるのでそのままにしてもらってよかった。勝手に人の生活を覗いてるみたいで気がひけたけど、探しながら、オーナーって謎が多い人だとつくづく感じる。カフェは趣味と言ってたとおり収入はあまりない。というかむしろ赤字だらけで、それでも維持していて、しかも遺産がエゲつないくらいあった。怖いなんか悪いことでもしていたのだろうか?そんなことを考えていたら手帳から写真が出てきた樹ちゃんの話してた風貌の男の子とオーナーがカフェ前で写っているのと、もう一枚はスーツを着た真面目な感じの男の子とオーナー…共に、ゴロとおもちが映っているのに笑いがでたけど、きっとこの子がなおくんだろう。確かに茶髪の時はゲッソリ痩せていてネグレクトをうけていたことがわかる。スーツの方は普通というか細マッチョって感じだった。今日来た男性を思い出す。う〜ん…似ているような?似てないような?よくわからない。こんな時は寝るに限るよし寝よう。
そんな事件のようなことがあったある日、弁護士さんがカフェを訪れてくれた。私はここぞとばかりに質問の嵐をくりだした。弁護士さんはかなり引いていたが丁寧に質問の回答をしてくれた。あとから思えば、カフェにお客さんとして癒されにきたのに、すごい剣幕で質問攻めにあったのだから、来店しなければよかったと思ったに違いない。ごめんなさい。
一通り話しをしてくれた後、
「オーナーからなおくんがカフェを訪れたらナシノちゃんに家庭事情を話して欲しいとおっしゃっていたのできました。まさかこんなに食い気味にこられるとは思いもしなかったけど(笑)もしまた何かあったらご相談くださいね。」とにこやかに言ってゴロの近くに座ってコーヒーを飲みはじめた。しばらくして、弁護士さんが
「この子たちははじめましてですね。どちらから?なんとなく犬たちはゴロに似ている気がしますね。うさぎはおもち様に似ている気もしますが」さすがの観察力。早速、私は説明をした。ここにいる4人は私の子たちオーナーにも驚かれたのが犬2人。ゴロの若い頃にそっくりで涙を流しながらオーナーは抱き締めていた。残りの2人はおもちにそっくりのうさぎ。「やっぱりナシノちゃんはここに来るべき子だったのね。夫が巡り合わせてくれたのかも」と喜んで家族の一員として受け入れてくれた。弁護士さんにもその話しをした。弁護士さんも「確かに旦那さんの導きなのかもしれませんね。すばらしい。お名前は?これからゴロと同じように推しにさせて頂けたら嬉しいですね。」私は自己紹介をさせて頂いた。ちなみに犬は『コロ』と『トロ』うさぎは『ヒデコ』と『たらのめ』です。名前を聞いたとたん「やはり運命ですね」とニコとして4人に挨拶をして会計をして帰っていった
ある程度のオーナーの事情は聞かせてもらった、なかなかハードな人生。私だったらと思うと…私はオーナーの新たな一面を会話みた気がする。私もカフェを継いだけど、初めは常連の方々に受け入れてもらえなかったら…どうしよう?とか家の子たちも受け入れてもらえなかったら?と考えてしまっていた。でも案外皆さん優しい方ばかりで悩んでいたことがバカみたいだった。推しにしてくれたかたもいて4人も仲間入りをはたした。
カフェ内の子たちはみな服を着ていない保護する意味でも服を着せようと考えた。ところが、不器用な私には…ムリな話しだ。ダメ元で母に話したところ作ってくれることになった。材料費はこちら負担で好きに作ってほしいといったら、それぞれの性格がわからないと服作りは難しいとのことで、なぜかできるまで泊まると言った。父はどうするのだろうか?「私いなくても死にはしないんだから大丈夫よ」夫婦ってこんな感じなのだろうか?念のため確認したら「数日いないからって死にはしないよ」と…さすが夫婦同じこと言った(笑)そういうもんなんだね。そういうことなら遠慮なくお願いをした。そのお陰か、皆可愛い装いになった。唯一の心残りはオーナーに見せてあげることが出来なかったこと。写真では見せることは出来たがやっぱり生で見て欲しかった。オーナーごめんなさい。
母はここぞとばかりに装飾までしていった。有難いのだけど、賑やかすぎます。気の済むまでやって嵐のように帰って行った。ありがとう母と見送り、いつもの静かな毎日が訪れた。よく見るとぬいぐるみたちの小さい穴とかが塞がっていた、母はそこまで治してくれていた。でも大きい物に関しては治せなかったのだろう。これについてはどうしたらいいのかわからなかった。どうしよう…。
オーナーパワーなのか悩んでる時に手助けをしてくれる人が現れてくれる。最近、常連さんになってくれた子が来店してきた。彼女は入ってくるなり
「うわー!皆可愛い。服着てる。ケガも治ってる。あれ?でもこの子ケガは治ってない。あの…この大きなケガしてる子触ってもいいですか?」すごい圧で言われたので許可を出すと、突然、大きなカバンからメジャーとメモ用紙出して何やらいろいろ書いたり計ったりと大掛かりでやっていた。呆気にとられていると書き終わった彼女が
「この子、少しの間預かってもいですか?」私が戸惑っていると、彼女はあっ!?という顔をして
「そう言えば名乗っていませんでしたね。私こうゆう者です。決して盗んだりしませんのでどうでしょうか?」と名刺をくれた。見てみたらそこには…ぬいぐるみ治します。ぬいぐるみ病院 つむぎ院長…飯田紬とあった。す…すごいオーナーパワーいい人を引き寄せてもらった。
「ぜひ宜しくお願いします。私はてっきりお医者さんなのかと思ってました。」紬ちゃんはキョトンとしてた。私は…たまに聞こえていた愚痴などの話が聞こえていたことを話して謝罪した。
「あらー聞こえていたんですね。恥ずかしいってかあんな大きい声で話していたから聞こえるわよね(笑)」そう言いながら紬ちゃんはコーヒーを飲み連れて行った。心の中で頑張ってキレイになって帰ってきてね。と応援した。が金額が気になる...聞いておけばよかった………帰って来るまでドキドキ。その日はきたー帰ってきたー金額こわーい。紬ちゃんに連れられて帰ってきた子を見ると…キ…キレイ?!すごーい?!見た目もキレイになり、可愛いリボンまでして、なんてすごわざ。これはかなり高いぞ!!ドキドキしながら聞いたら、なんと
「5000円でお願いします。」私は何回も聞き返してしまったが、何度聞いても変わらない。そんな訳がないことはわかるので
「調べたけどみんな何10万とかだったよ。」紬ちゃんはいつもお世話になってる子たちだしこれからもお世話になるので、ほかの子もみたいのでこれでと言った。しかも個人的にやってるし、家に余ってる生地で治してるのでこれで大丈夫とのこと。ありがたいのでカフェ全メニューを無料にするというのを提案した。そして、ゴロの相談をしてみた。かなり悩んでいたけど、治せるというより、新品の生地を上から被せる方法を提案してくれた。これはかなりの...金額になりそう(泣)でもオーナーの息子、長生きして欲しい。これは正規の金額でお願いしたのだけど、なかなかO Kしてくれなかった。紬ちゃんはこのカフェに救われたから、恩返しがしたくてやっていると教えてくれた。後は趣味とも言っていた。変わった子だ。私に言われたくはないだろうけど、あはは。今となってはこの出会いはとても嬉しくオーナーに感謝。そしてプレート作成が増えた。『只今、入院中待っていてね』と座席に置かれるようにした。だんだん皆がキレイになっていくのをみていて、これで安心してお店を続けていける。ケアのやり方も教わって、定休日にやるようにしてた。カフェの常連さんたちは意外な素顔をお持ちで、、、医者やらぬいぐるみ販売、ありとあらゆる職業で驚く、オーナーは私に話してくれることはなかった。個人情報でもあり話していいことでもないからなのだろう。私も詮索はしないし、みないい人ばかりで頼もしい。それだけでいいと思う。不思議「で魅力的なカフェを継がせていただきました。
明くる日、なおくんらしき男性が来店。
「おはようございます。この間は失礼しました。訃報を聞いたのがあおの日で仕事中だったため挨拶だけさせていただきました。」と深々と頭を下げて話してくれた。男性はコーヒーを注文してゴロケースの前にに座った。私は、コーヒーと一緒にティッシュを持っていき置いた。一礼してサイフォンの清掃に戻った。とても静かで、BGMに混ざって鼻をすする音が入る。二回目の注文の時に
「そういえば名乗っていませんでしたね。俺はオーナーの孫のなおといいます。このカフェを継いで頂きありがとうございます。オーナーからは以前、いい人にカフェを継いでもらえることになったの。彼女なら皆が安心して暮らせると聞きました。本当にありがとうございます。」とまたも深々と頭を下げた。礼儀正しい人なんだろうとこちらも「いえいえそんな」と言って頭を下げた。いろいろ話しを聞きたかったのだけど、今は静かにソーとしてあげるのがいいように思い側を離れた。なおくんの貸し切り状態だったのだけど、お客さんが入ってきて「やっぱり営業してた。表の看板CLOSEになってるよ。」とい言われてハッと気付くそう言えば、なおくんに驚いて看板変えるの忘れたかも、、、よく忘れてはお客さんに言われる。常連さんは私をわかってくれているので入ってきて教えてくれる。そんな日々(笑)お客さんにお礼を言い看板を変えに行った。
お客さんと話しをしながら、なおくんの注文を受けていると「あのイケメン片っ端から注文していない?」と、、、言われてみればそうかも。こ、、、これはもしかしてなお試験を受けているのではないだろうか?これは緊張してきた、オーナーの次に全メニュー作るのは久しぶり、楽しい半分ドキドキ半分でお客さんの話しをあまり聞いてなかったかも(笑)なおくんは1日いてぬいぐるみたち全員と話した。4人には『はじめまして、君たちはどこのこなのだろうか???おもちとゴロにそっくりだけど』と言ったのが聞こえてしまい
「その子は私の子です。端からコロ・トロ・ヒデコ・たらのめです。よろしくお願いします。」と話した。『そうなんだね』と言って何やら話していたけど聞こえず、閉店近くなおくんは帰り支度をしていたので、今がチャンスと思い
「なおくん、すみません。なおくんの荷物が残っていて、いつでもいいのですが取りに来てもらえますか?」と伝えた。
「すみません。近いうちに持ちにきます。定休日は変わらないですか?また日にち連絡入れて来ますがいいですか?」私はうなずき「待っていますね」と言って、代金を頂き今日の営業は終了した。一気にいろんなことの起きた日だったなと思いながら眠った。
どのくらいの日にちが経ったのだろうか?なおくんからの連絡をもらった。荷物を持ちにくると、、、定休日を話したら、来れるとのことなのでその日にお願いした。
店舗ではない入り口
を知っているのでチャイムを鳴らして入ってきたのは、なおくん、中の勝手を知ってるが今は私が住民のため案内をさせてもらう、部屋に入るなり懐かしいという顔をしていたので、
「荷物整理しながらゆっくりしてください。私はぬいぐるみたちの掃除したりしているので、何かありましたら、おっしゃってくださいね」と出て行こうとドアに手をかけたら「いいんですか?すみません。お気遣いありがとうございます。」おても静かな時間が流れていく。気がつくとお昼の時間になっていたことに気がつく。お昼の準備をして、なおくんに声をかける。二人で食べながら、なおくんは生い立ちを話してくれた。なかなかハード人生オーナーの気持ちがわかりそうでわからないかも。資産がありすぎるのも問題だな。やっぱり貧乏はヤダけど普通の生活のできるくらいが丁度いいかも。としみじみ思っていた。なおくんの顔は泣いていたみたいになっていた。事前に準備しておいてよかった。なおくんは私に対しても『初め聞いたときは財産狙いの人だと思った。でもこの間メニューを全部食べたり飲んだりしたら、オーナーの味だし、ぬいぐるみたちも大切に
してくれているのもわかって安心した』と話してくれた。やはり試験だったんだね。いろんな話しをして午後の作業に入っていった。私は店舗の掃除を進めていった。またどのくらいの時間が経ったのかわからないのだけど、外は暗くんあっていた。私も夢中になりながらやってしまっていた。なおくんの様子を見に行くと、丁度ドアを開けてくれた。そして申し訳なさそうに
「思いのほか荷物が多くて整理がなかなかできなくて…あと1日来てもいいかな?」私はすぐにOKした。なおくんのお誘いで夕飯を外に食べに行くことになった。なんとも久しぶりの外食。嬉しい、しかもこんなイケメンと…緊張して喉を通らないかもしれない。と思っていたのだが意外なことにガッツリ食べてしまった(笑)さすが空気読めない私(笑)だから彼氏がいないのね…自分で言って悲しくなってきた。なおくんはなれているみたいでスマートにエスコート。イケメンはどこでもイケメンなのね。見惚れてしまった。この時なおくんに彼女がいたらとかの考えが浮かばない私って…などと考えたが後の祭り楽しく美味しく料理をたいらげ、カフェまで送ってもらいその日はドキドキね眠れないかもー。などと考えていたけど、ガッツリ寝てしまった(笑)
今日は不思議とテイクアウトが多かった。私が始めたテイクアウトはちょっとだけ特別使用となっている。それはお手製の紙コップとなっている。お手製と言っても無地コップに絵とメッセージを描き足している。オーナーが入所してから始めたオーナーにも飲み続けて欲しいから、意外にも常連さんにも好評で注文をしてくれる。来れなかった人とか会合、なにかの集まりとかで注文していってくれる。なんか嬉しいような恥ずかしいような気持ち。オーナーの意思を継いでSNSはやっていない。このゆっくりと静かなカフェがいいから。もちろんテイクアウトよう陣営もやる気をあまり出さずに、テイクアウト看板をもってがんばってくれている日替わりぬいぐるみ。やっていく内にテイクアウトはサラリーマンたちのようにオフィスに持っていく人たちようになっていた。有難いけど時間がかかるから始業時間に間に合うのだろうか?などと考えながら今日も頑張る店番担当と営業(笑)
そういえばテイクアウトの記念すべき第一号は、な…なんと常連のおじいちゃん店内から持ち帰り用を二つとあっさりと注文してくれた。これがカフェの日常。常連さんでよかったのかも。
樹ちゃんも来店してくれて
「テイクアウト始めたんだって、何かいい物が見れるって聞いたんだけど、注文お願いしまーす」
良いものって…まさか…苦笑いしながら手渡すと案の定、大…大…大爆笑。
「ナシノちゃん、いいねこれ。すごくいいよ。他の日は他の子なの?」私はうなずく。樹ちゃんは涙を拭きながらニヤっとして
「仕事行かないと...と忘れるところだった。なおくん来たんだって?」ドキッとした、この子の情報網は一体どこから?とりあえず、来店したことと荷物の整理をしに来たことを話した。
「やっぱりあの人、なおくんだったんだね?すっかり変わってたね。今度はカフェにきて常連さんに会わせてあげたい。ナシノちゃん言ってみて」と確かに常連さんは知っている人もたくさんいるし会いたいよね。今度の荷物もちに来るときにお願いしてみよう。一通り話して仕事に戻って行った。
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