一瞬の光と、心に残るぬくもり

日常の静かな場面に差し込む「刹那」が、やさしい言葉で丁寧に描かれていました。光、空気、触れる手の感覚がひとつずつ積み重なり、気づけば私の記憶とも重なっていきます。
失ったように思えた時間のあとにも、変わらず朝は訪れる。その事実をそっと差し出す結びが印象的で、読み終えたあとに深呼吸したくなる作品でした。