あまてるおう【壊れたガラスペン杯第一回用短編】

ナリム

王の資質…

 「ついに始まりました!!あまてる王トーナメント決勝戦!我々は次の我が国よしやめて国を支える王の誕生を今目撃するでしょう!!さあ準備が整いましたので選手の入場です!!」


 あまてる王トーナメント。我が国よしやめて国の王を決めるための決戦。僕甘照王太あまてるきみたはこの戦いを制して絶対にあまてる王にならなければならない。親のためにも、友のためにも。そして何よりこの国のためにも…


 「まずは東ブロック代表幾千もの強者をなぎ倒し、昨日の敵は今日の友を実現してきた新星…甘照王太!!」

 

 「うおぉぉぉぉぉぉ!!」


 「続いて西ブロック代表!!トーナメント前日に申し込み、数々の猛者を圧倒してきたダークホース…苦影覇くえいはる!!」


 「…」


 「両者構え―――ファイト!!!」


 「なあ、突然だがよ、お前は王とはどういう存在かわかるか?それに必要な資質がわかるか?」


 「急になんだ?」


 「いいじゃねえか、これでどっちが勝っても最後なんだ。この瞬間を楽しもうぜ。なぁ?」


 「おっと、お互い構えたまま動きません!!あの場でいったい何が起こっているのでしょう!!」


 「王の資質か…。やっぱりみんなから信頼される存在で必要なのはみんなの期待に応えたりして信頼を得ることじゃないか?」


 「なるほどな。でもそればかり聞いていたら国民の言いなりにならないか?」


 「それは…もし国民と意見が違ったときはちゃんと説得できるように努力したり国民の意見も理解できるようにするつもりだよ!!」


 「でもお互いの意見をお互いがちゃんと理解するなんて至難の業だぜ。それに一対一ならまだしももっと大勢だ。そんなお互いを理解しあおうとして時間を使ったら時間も無くなっちまうぜ?」

 

 「それは…じゃあお前の考える資質は何なんだよ?」


 「それは圧倒的支配力だ!絶対に意見の合わないに振り回せられて時間を浪費するより絶対に効率がいい。」


 「でもどうやって支配するんだよ?」


 「方法か?それはな―――こうやるんだよ!!!」


 鋭い斧を上に掲げ一瞬のうちに迫ってくる。反応が遅れた影響で腕に擦り傷ができる。


 その会話に集中していたのもあってか、反応がワンテンポ遅れた!くそ!


 「東ブロック代表は違うな~!!」


 無数の斬撃が襲ってくる。だが一度見た攻撃。かわせる!


 「ほかの参加者ならこれでいちころなのにな~」


 「それはどうも~」


 足に力を籠める。だ相手は僕の攻撃を見ていないはずだ!この一瞬の油断を取るしかない!


 地を蹴り加速する。風を切りながら走る感覚、剣を力ずよく握る感覚はいつも戦闘の高揚感を高ぶらせる。この一撃で無理でも畳みかけてかわすすきを与えさせら分けにはいかない!


 「そうだ!もっと戦闘を楽しもうぜ!この一瞬を!この緊迫感を!互いの正義のぶつかり合いを!!」


 ♢♢♢


 「甘照君太様、あなたの後継者を決めるトーナメントですぞ!見に行かないのですか?」


 「いや、今行く。」


 あれから俺は王になった。それからは自分の正義を信じ進んじ、国民との信頼を得るためいろいろしてきたが、できたことは数えるくらいしかなかった。まあ確かに自分のしてきたことは間違っていなかったと思う。しかしあいつの言う王の資質もまた間違っていなかったのではないかと、時々思い出す。


 「王の資質ってなんだろうな」


 「独り言つぶやいてないでいきますぞ!!」


 「わかってるって!」


 

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あまてるおう【壊れたガラスペン杯第一回用短編】 ナリム @Narimu39

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