漆の椀

志悠 駿(しゆう すん)

漆の椀

12年前の今日、父母の銀婚式に贈った椀。


父は喜び「塗り重ねて強くなる漆の様に生きろ」と語った


「22。貴方に話した回数」と母が父の日記を見せる


形見に持ち帰り、幼い娘に「漆はね」と語って聞かせ、真新しい日記帳に


『23』


と書いた


亡くなった父の愛に私の一層を塗り重ねて


#140字小説

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